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加熱式タバコから始まる、新しい喫煙のたしなみ

「Ploom X」とZ世代の煙たくないカンケイ

author: Beyond magazine 編集部date: 2021/11/23

加熱式タバコの利用者のほとんどが、紙タバコからの“乗り換え組“と言っていいだろう。数年前から動き出した加熱式タバコの勢いによって多くの紙タバコ派がライターを手放した。しかし、若い世代はどうだろうか。なかには「紙タバコ」という本来通るはずの通過点をスキップして、電子タバコを愛用している人もいるという。そこには“乗り換え組“とはまったく発想が異なる喫煙への嗜好性が隠れているのではなかろうか? 「初めての喫煙が加熱式タバコだった」というニューノーマルなZ世代が信条とする「令和の愛煙論」を、百戦錬磨のインタビュアー・山田ゴメスがレポートする。

筆者はいまだ“アメスピ” (NATURAL AMERICAN SPIRIT)のゴールドのボックスとライターを手放すことができないガチガチの紙タバコ派であるが、身近にいる喫煙者の多くは世間一般の例に漏れず──約7、8割といったところだろうか──加熱式タバコ派への“乗り換え”をすでに果たしている。

「少しでも健康に気を配って…」「全身からただよう匂いが嫌がられる」「紙タバコを吸える場所が激減した」……ほか理由はさまざまだが、総じて見れば「やむを得ず…」といった“消極的な転向”をほのめかす論調が大勢を占めている印象だ。いずれにせよ、加熱式タバコ愛用者のほとんどは期間の差こそあれ、紙タバコを“通過点”として嗜んできたわけである。

ところが、最近の20代を中心とする若者たちのあいだでは、

紙タバコをスキップして、いきなり加熱式タバコをチョイスする

……といった、我々のような古いタイプの愛煙家には信じがたいケースがにわか増えつつある、と聞く。「いきなり加熱式タバコ派」を当然のごとく自認する中村勇希(なかむら・ゆうき)さん(28歳)は、そのきっかけをこう語る。

「学校を卒業して上京するまで福岡県の行橋市に住んでいました。ぼくの地元は田舎なので、大人たちもたいがい(紙)タバコをプカプカ吸っていた。でも、当時は“自分とは関係のない世界”としか目に映りませんでした。

最初の喫煙体験はシーシャ(水タバコ)。“デビュー”はなかり遅めで(笑)、数年前、友人がシーシャカフェに連れて行ってくれて……。そこから『VAPE』とか『Ploom』も自宅内で試してみるようになったわけです」

職業は事業開発系のエンジニア。大手事務機器メーカーに入社し、営業職などを経てウェブデザイナーに。ウェブ制作やアプリケーション開発に携わり転職へと到った中村さんは職種柄、出社の必要もめったになく、自宅でのデスクワークが主なのだそう。

「ぼくは、別にタバコが吸いたいわけじゃないんです。ぼくにとってのタバコは、いわば“仕事に一息入れるための言い訳”みたいなもの。自分みたいにパソコンに向かってずっと座りっぱなしの仕事って、なにかきっかけとなる『◯◯休憩』という名目がなければ休まず、延々やっちゃうので。逆に言うと、作業がなければ喫煙しなくても全然平気です」

現在、愛用しているのは「Ploom X」。しかし、中村さんは外に持ち歩くことはなく、喫煙するのはもっぱら“自宅のみ”なのだという。

「お酒は好きですが、飲みの席でも吸わないですね。食事後の一服とか起きたばかりの目覚めの一服とかもない。なので、休日は1本も吸いません」

平日の勤務時間は平均約8時間、「休憩」は1〜2時間に1回ほどのペース──1日の喫煙本数は4〜5本くらいで、10本はいかない……とのこと。禁煙外来に通ってもタバコがやめられない“ヘビースモーカー”とは程遠い。

ならば、タバコ以外で「休憩」の名目を得ることだって、簡単にできるはずだ。

「う〜ん、たしかにコーヒーとかでもいいんでしょうけど…。コーヒーは何杯も飲めませんし(笑)。シーシャカフェに通っているときもそこでよく仕事をしていたせいか、ぼくのなかでは“喫煙”と“作業”がしっかりと紐づいていている、密接につながっているんです」

「とりあえず禁煙をする予定はありません」と中村さんは断言する。ただ、なにかと愛煙家への風当たりが厳しいこのご時世、いちスモーカーとして「喫煙に対するデメリット」を感じることはないのだろうか。

「タバコのデメリットとして一般的に指摘されるのは、やはり健康面ですが、ぼくは体調に明らかな異変でもないかぎり、それを理由にタバコをやめようとは思わない。1日数本の喫煙より、仕事中に休憩が取れないストレスのほうが、結果として心身への実害は大きいと思うからです。

あと、紙タバコは壁紙が黄ばんだり、部屋に匂いが染み付いたりもしますけど、加熱式だとそういう心配もほぼありません。ぼくの場合、自分の部屋でしか吸わないので、嫌煙家への受動喫煙に気を配らなくても済みますしね」

火をつけ、葉がジュッと燃えて煙が出てくる瞬間を見ていると「紙タバコならではの情緒と醍醐味」は感じるものの、いくつかの試行錯誤を重ねてたどり着いた「Ploom X」には、とても満足していると中村さんは言う。

「使用可能時間は約5分。“制限時間”になればデバイスが震えるんですけど、ぼくにとって“5分”は休憩にちょうどいい時間なんです。なんといっても手軽さが魅力。シーシャみたいに手間はかからないし、紙タバコみたいに匂いもつかないし、ライターもいらない。そのぶん充電は必要なんですけど、ぼくは自分の部屋でしか吸わないから、そういう面倒臭さもありません」

なるほど、

「ニコチンやタールに依存するのではなく“喫煙”という行為を心の拠り所に感じている」

……という中村さんにとっては、加熱式タバコは「ビール」に対する「発泡酒」のようなものなんだろう。

アルコール度数への執着さえ捨てさえすれば、ビールより発泡酒のほうが断然リーズナブルなわけで、実際、Z世代をはじめとする“本物”に固執しない者たちは、躊躇なく発泡酒、あるいはノンアルコールビールを愛飲する。

「ぼくみたいに紙タバコを通過していない喫煙者は、さすがに同世代でも特殊だと思います」

……と中村さんは苦笑いする。

しかし、コロナ禍によってリモートワークがビジネススタイルとして主流となり、コロナ収束後もおそらくライフスタイルのリモート化がどんどんと推進されていくなか、さらにはデバイスが進化し、加熱式タバコの味もより多様化、複雑化していけば……今では「レアケース」とされる中村さんのようなニュータイプのスモーカーも、近い将来「スタンダード」となるのかもしれない。

文/山田ゴメス
撮影/山田英博

Ploom X

美しく上質なアルミボディ。手になじむコンパクトサイズと、スマートで心地よい操作性が魅力!
希望小売価格:3980円
使用可能時間:約5分
充電時間:約140分(フル充電で23本分使用)


製品提供:JT

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