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イデグチマサヤ「土塊」

「ものや」櫻井仁紀、造形センスに心掴まれる土でできた福助人形

author: 櫻井 仁紀date: 2024/02/01

京都で「ものや」というデザインスタジオと古道具屋を運営しています。店舗の内装や特注家具の設計をしながら、全国を飛び回り気に入った品を集めて販売しています。買うものは照明や時計などの工業製品から、用途のわからないオブジェまで、古今東西、自分が良いと感じたものを集めています。お店で販売する商品だけで年間に2〜3000個の物を買っていますが、その中で僕の心を鷲掴みにしたのが左官職人が作った「福助人形」です。

櫻井仁紀

1996年生まれ。2018年に吉田卓史と古道具屋「ものや」をオープン。現在は高垣崚と3人で活動。市場で買い集めた古道具や価値を見出された蒐集物、 制作途中で生まれたモノなど様々な物を取り扱う。空間構成やプロダクトデザインを行う「スタジオものや」も運営。

Instagram:@shop_monoya

「ものや」櫻井仁紀のBEST BUY 2023

福助人形 8000円 ※サンプルのため参考価格

普段は左官職人として働くイデグチマサヤさんによる、造形作品「土塊(ツチクレ)」。陶芸のように土を焼くのではなく、土をそのまま固めて作ったオブジェの中でとびきり輝いて見えたこの福助人形。

誰かにとっては使い物にならないガラクタでも、見方を変えると面白く捉えることができる。古道具屋をするようになってからそう気づき、どこに行っても面白い物を探す癖を止められなくなってしまいました。

福助人形と出会ったのは、同じ古道具のお店である鳥取の「がふ」と福岡の「鋤田収集事務所」と一緒に京都・福岡・鳥取を巡回するポップアップの時のことです。

鳥取の滞在時に宿泊先としてお邪魔した「がふ」さんの家には魅力的な物が所々に乱雑に、でも気持ちよく置かれていました。「きっとこれは売る物ではなく、がふさんの私物なのだろうな」と思いながら、人のお宅でも物を探す目を止められず、ジロジロと部屋を探索する中で、棚に置かれた福助人形が目に入った時、あまりの素晴らしさに唖然としました。

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絶対がふさんの私物だろうけど、どうしても欲しい。気づいた時にはがふさんに売ってくれないかと交渉を始めていました。するとまさかの作家のイデグチさんが近所に住んでいるから案内してあげるよとのこと。翌日案内してもらうと、抽象熊や幾何学的なオブジェなど他にも素晴らしい土塊の作品がずらりと工房に並んでいました。しかしそれらの中でも圧倒的な魅力を放っていた福助人形、やっぱりこれが欲しいと思い、イデグチさんにお願いすると快く売ってくださりました。

変わった嗜好だと自認していますが、僕は福助人形が大好きで市場などで見つけるとついつい買ってしまいます。木彫の熊やお鷹ぽっぽなどの、日本らしい造形とものづくりが宿る民族玩具が元々好きでよくお店でも販売しているのですが、その中でも福助人形が一番好きです。頭だけ大きくちょこんとお辞儀している、少し気の抜けた、でも愛らしい佇まいと、陶器で作る成形や絵づけの細かさなどに見られるものづくりの細かさとのギャップが良いのです。

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ただ、土塊の福助人形は、今まで見たどの福助とも全然似ていなくて、生土で成形されているし、形も横長で顔などの各パーツもだいぶデフォルメされています。でもちゃんと福助らしさがあり、圧倒的な造形センスを感じて痺れました。左官仕事をしていることからコテで造形するイデグチさんだからこそできる、抽象的で平面的な形状、そこに生土の素材感が加わり独特の存在感を放っていました。

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イデグチさんの話を聞いていくと、福助人形は自分でも気に入っていたが他の制作に追われ、作った福助はがふさんと僕が買った2体のみ、勿体なさすぎる……。もっとたくさんの人に見てもらいたいので、ものやで土塊の展示会をさせて欲しいとお願いし、優しいイデグチさんはそれも快く了承してくれました。

土塊のオブジェは生土をそのまま使っています。土の少しひんやりとした気持ちの良い質感は陶器とはまた違った良さがあります。展示会で皆さんにも福助人形を見てもらいたいです。

Text:櫻井仁紀
Edit:山梨幸輝


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https://d22ci7zvokjsqt.cloudfront.net/wp-content/uploads/2024/01/140.jpeg

「ものや」店主
櫻井 仁紀

1996年生まれ。2018年に吉田卓史と古道具屋「ものや」をオープン。現在は田村遼と3人で活動。市場で買い集めた古道具や価値を見出された蒐集物、 制作途中で生まれたモノなど様々な物を取り扱う。空間構成やプロダクトデザインを行う「スタジオものや」も運営。
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