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シューマイを作りながら語らう

井上咲楽と小林真梨子の心を包む日

author: 久保泉date: 2025/10/30

毛布に包まれていると安心するように、私たちの日々には心を優しく包む時間がある。家族や友人、恋人と過ごすとき。一人で好きなことに没頭しているとき。
 
今回は、10年以上親交があるというタレントの井上咲楽さんとフォトグラファーの小林真梨子さんに、シューマイ作りに挑戦してもらった。調理しているあいだも二人のおしゃべりは止まらない。小林さんが住むシェアハウスで、シューマイとともにお互いの心を包んだ、特別な時間の記録。

井上咲楽

1999年、栃木県生まれ。第40回ホリプロタレントスカウトキャラバンで特別賞を受賞。ABC『新婚さんいらっしゃい』やNHK『サイエンスZERO』でMCを務めるなど、バラエティを中心に活躍。レシピ本『井上咲楽の発酵、きょう何作る? 何食べる?』(オレンジページ)が10月31日に発売。
Instagram:@bling2sakura
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小林真梨子

1993年生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。大学入学をきっかけに写真を始め「楽しいこと」を追求しながら写真を撮っている。 現在はフリーとしてフォトグラファーだけでなくキャスティングやイベント企画など、多岐に渡り活動中。 写真集『ふれる、ゆれる。』(2017)『SPROUT ALBUM』(2020) 在原みゆ紀との写真集『meet you』(2024)も発売中。
Instagram:@marinko5589
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友達だけど、親心が芽生える瞬間がある

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まずは玉ねぎをみじん切りに

――二人はどのようなきっかけで出会ったのですか?

小林真梨子(以降、真梨子):私の幼なじみから「紹介したい子がいる」と言われて出会ったのがきっかけです。

井上咲楽(以降、咲楽):連れられるままに待ち合わせ場所に行ったら、真梨子さんがいましたね。

真梨子:事務所を通じての出会いだったよね。そういえば、芸能界に入ったのはどうして?

咲楽:テレビに出る仕事がしたくて。それでホリプロのオーディションを受けました。

玉ねぎとひき肉、調味料を合わせる

真梨子:会ったころはまだ10代だった?

咲楽:そうですね、懐かしい。

真梨子:朝にお散歩しようと誘って、写真を撮ることもあるね。

咲楽:はい。代々木上原でお茶したことありますよね。

具材を混ぜ合わせる

――お互い何度も会おうと思えたのはどうしてでしょう?

真梨子:私には親心があるよ(笑)。

咲楽:そうなんですか(笑)!

真梨子:うん。今いくつになったの?

咲楽:26歳です。

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真梨子:そうなんだ! 栃木から上京する前後を見ていたから、今の活躍ぶりに思わず拍手しちゃうよ~。

咲楽:えー、嬉しい。ありがとうございます。

私が好きを仕事にできた理由

――咲楽さんから見て、真梨子さんはどういう印象ですか?

咲楽:ふらっとやってきて「よっ!」みたいなテンションを感じます。数年に一回は近況報告する間柄ですね。

真梨子:そうだね、親戚みたいな感じ。

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シューマイの皮に具材を包んでいく

咲楽:最近も連絡は取っていたけど、会うのは久しぶりですよね。

真梨子:タイミングがなかなか合わなかったよね。ホームパーティーやボードゲームに誘ったこともある。

――真梨子さんから見て、咲楽さんのどういうところを魅力に感じますか?

真梨子:さまざまなことに興味があって、どんな方向にも伸びていけるところ。私にはできないことだから。好きなものがあったとしても、それを生かして仕事にすることは全員ができることではないですよね。

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上手にタネを包む咲楽さん

真梨子:マラソンや料理に詳しくて、政治の話もできて。それが仕事につながっているなんて本当にすごい。私は感動しております。

咲楽:実は、好きなことを仕事につなげられるようになったのはここ最近なんですよ。ようやくタイミングが合ったという感覚があります。自分の趣味を仕事にできると、能動的になりますね。

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苦戦しつつも包みにめげない真梨子さん

真梨子:これからやりたい仕事は何かあるの?

咲楽:たまに料理のイベントをやっていて、それを全国ツアーという形でやってみたいですね! 私の作った料理を食べてもらうイベント。あとは飲料と料理のペアリングを考える企画とか。

真梨子:楽しそうだし、できそうだね。

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二人が包んだシューマイ。蒸す前のピンク色が鮮やか

光で目覚める瞬間に包まれていたい

――今回の企画テーマは包(パオ)なのですが、2人はどんな時間に包まれていると嬉しいですか?

真梨子:太陽が出ている時間です。

咲楽:真梨子さんは太陽のイメージがありますよね~。

真梨子:夜が苦手というわけではないんだけど、朝のほうがテンション上がる。

咲楽:やっぱり早起きですか?

真梨子:実家に帰ると犬の散歩があるから早いけど、普段は7時とか。

咲楽:早い!

楽しみながら包みつづける咲楽さんと真梨子さん

真梨子:朝起きるとき、ベッドに太陽当たる?

咲楽:当たらないように遮光にしています……。

真梨子:私は真逆で窓全開。

咲楽:えっ、すごい!

真梨子:実家もカーテンがあるけど閉めてなくて、網戸で生活しているんだよね。今いるこのシェアハウスでも、自分の部屋の窓は開けっぱなし。

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グリーンピースを乗せていく

咲楽:太陽の光で起きますか?

真梨子:そうだね、光で起きる。アイマスクをして1時ごろには寝るけれど、朝が来ると陽の光で身体があったかくなって。それで「朝だ!」って思う。日光が当たる時間がとにかく好き。

咲楽:そうなんだ。私は、家でごはんを作って食べる時間が嬉しいです。

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一粒ずつ丁寧に

――最近は何を作りましたか?

咲楽:さんまを焼きました。少し前までベルリンとシンガポールにいて。久しぶりに自炊をしたらやっぱりいいなと思って。

真梨子:自炊は心が落ち着くの?

咲楽:うん、落ち着きますね。自分が作った料理の味は安心するんです。外食のような特別なメニューを作りたいわけではなくて、家庭料理が食べたくなります。

日記を書くことで安心感に包まれる

――包まれていると安心するモノやコトはありますか?

真梨子:布団と、すごく仲の良い友人といる時間。

咲楽:日記ですかね。ブログで日記を投稿していて、書いていると安心しますし、書き終えるとホッとして、同時にスッキリもします。

真梨子:私も日めくりカレンダーに毎日メモ書きをするよ。

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グリーンピースを乗せつづける

――包まれていると嬉しいプレゼントはありますか?

真梨子:お花ですね。

咲楽:八雲餅という笹の葉にぷるぷるとした黒糖の餅が包まれているもの。美味しくて人によくプレゼントします。

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せいろに入れていく

真梨子:プレゼントは嬉しいよね。これまでいただいたプレゼントは全部平等に嬉しかったから、一つに絞れないなあ。

――人に何を包んで贈ることが多いですか?

咲楽:梅ジャム。いっぱい作ったときは瓶に入れてプチプチで包みます。

真梨子:えらい! まめだね~。

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10分ほど蒸す

咲楽:梅をコトコト煮て、スパイスも入れて。作って満足しちゃうから人にあげます。

真梨子:私はやっぱりお花かな。あと必ず手紙は書く。その人に合った便箋やポストカードを選ぶようにしていて。

咲楽:それいいですね。

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そろそろ10分。様子を見る咲楽さんと真梨子さん

真梨子:字は特別綺麗じゃないけど、書くことは好きなの。

咲楽:大人の贈りものってなかなか難しいですよね。

真梨子:難しいよね~。疲れている人にはだいたいバスソルトかアイマスクあげるかも。自分でわざわざ買わないけれど、もらったら嬉しいものってあるよね。

咲楽と真梨子の好きな包料理

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完成!

――今回シューマイを作って食べましたが、他にはどんな包料理が好きですか?

真梨子:クレープか春巻きですね。端っこがパリパリしていて好きなんです。特にチョコバナナクレープが好き。高校生のころはクレープを焼く機械で家でも作っていました。

咲楽:手巻き寿司です。実家で、家族の誕生日に作ります。特別感がありながら意外と準備は簡単で。

ほかほかのシューマイ

真梨子:具材は何を入れるの?

咲楽:ホタテは取り合いになりますね。

真梨子:ホタテ!? 入れたことないよ(笑)。

咲楽:私、貝類が好きで。コリコリしている貝とか美味しいですよ。

真梨子:じゃあ私とはケンカしないね。マグロやネギトロばっかり入れちゃう。

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シューマイと咲楽さんを撮る真梨子さん

咲楽:あとは地元の栃木県はギョウザが有名なので、欠かせない包料理ですね。アンベラというタネを包むヘラは持っていますよ。すごく便利です。

どんなに大変でも、楽しい時間で包みたい

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せーの、いただきます!

――人生をどんな時間で包みたいですか?

咲楽:楽しさで包みたいですね。今、仕事を始めてちょうど10年で。次、また次、と追われている感覚があって……。もう少し自分のペースで楽しみながら過ごしたいです。

真梨子:今は依頼されたものをやっているの? 自分でも選ぶようになったの?

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シューマイを食べる前の嬉しそうな2人

咲楽:そうですね、最近では自分でやりたいと言ってYouTubeを始めているので、選んでいると思います。YouTubeはテレビでのイメージを変えたくて始めて、それを観た方から新しい仕事がやってくるようになって。自分がやりたいと思う仕事を選ぶきっかけになりました。

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――それまでは、自分の意見よりも周囲の目を優先しようという意識があったのでしょうか?

咲楽:そうですね。ある日、スタイリストさんに「衣装の色どうしますか?」と聞かれたのに自分で答えられず、マネージャーさんに確認してしまったことがあって。そのとき私の好きな色というよりも、私の好きそうな色を選んでいることに気がついて……。

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咲楽:その出来事が自分の中で衝撃的で。友人に相談したら「自分の好きなものが世間や仕事でどう評価されるかではなくて、世間に思われることが先で、そこから好きになっていく形だから、分からなくなっているんだと思う」と言われたんです。

――的確な意見ですね。

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咲楽:はい。その出来事からだんだん能動的な仕事を始めるようになりました。Podcastもスタートして。自分の気持ちに沿ったものが増えてきた感覚があります。それに、テレビの仕事もいい意味で力を抜いてやれるようになりました。

シューマイの佇まいはなんだかかわいい!

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――最後に、シューマイを作ってみていかがでしたか?

真梨子:簡単だけど、難しいなと思うところもあったなあ。

咲楽:確かに、包む作業は難しかったですね。

真梨子:材料はシンプルでいいよね。味も美味しかった!

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咲楽:佇まいがなんともかわいいですよね~。

真梨子:うん。あっという間にできたね。

咲楽:包むのって、みんなでやると楽しいですね。シューマイパーティーとかやるのもいいかも!

Photo:小財美香子
Edit & Text:久保泉

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文筆家・編集者
久保泉

詩を書き、物語をつくる編集者。1994年生まれ、長崎の海が見える街で育つ。ブックレーベル「bundle」編集、演劇プロジェクト「aizu」主宰。好きなものは、光と花束とスパゲッティ。
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