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音楽

オーディオテクニカの名機が復活!

即完した話題のレコードプレーヤー「サウンドバーガー」を入手! アナログ入門者におすすめの理由

author: 山本 敦date: 2022/11/30

11月初旬に、オーディオテクニカが同社のオンラインストアで台数を限定してポータブル・アナログレコードプレーヤーを発売しました。「サウンドバーガー(型番:AT-SB2022)」という名称のプレーヤーは発売当日、瞬く間に完売してしまいました。サウンドバーガーのどこに私たちを惹きつける魅力があるのでしょうか? 筆者も手に入れて試してみました。

ワイヤレスイヤホンでレコードが聴けるポータブルプレーヤー

サウンドバーガーは2万円台で買える本格的なポータブル・アナログレコードプレーヤーです。スピーカーは内蔵していませんが、アナログレコードの音を、例えばヘッドホン・イヤホン、ポータブルスピーカーなどBluetooth対応のオーディオ機器に送信して楽しめます。

今年オーディオテクニカはブランド創立から60周年を迎えました。サウンドバーガーはブランドのアニバーサリーを記念して、こちらは約40年ぶりに「復刻」された製品です。世界で7,000台のみ販売する限定モデルだったことと、青春時代にアナログレコードを聴きまくった筆者の世代からも注目されたことから、即完売となりました。とても反響が大きかったことから、オーディオテクニカでは12月1日に本機を再販する予定を発表しました。買い逃してしまった方は要チェックです。

サウンドバーガー(型番:AT-SB2022)はポータブルタイプのアナログレコードプレーヤー。Bluetooth接続のヘッドホン・イヤホン、スピーカーにつないでレコード再生が手軽に楽しめます

高く感じられていた「レコード再生の壁」が越えられる

若い音楽ファンの方々にもアナログレコードを聴く機会はますます稀少になりつつあります。今でも手頃な価格のプレーヤーは見つけられますが、それでも多くの人にとってアナログ再生が「高い壁」に感じられてしまう理由は、プレーヤー以外にもアンプやスピーカーを揃える手間と置き場所が必要になることだと筆者は考えます。サウンドバーガーなら手元にBluetoothイヤホンがあれば取りあえずアナログレコードが聴けるし、空きスペースを自由に使えます。

本体の質量は900g。ストラップが付いているので簡単に持ち運べます。

スマホでサクッと聴ける音楽配信サービスが普及する中、今でもアナログレコードの新盤をアーティストが発売して、これを買い求める音楽ファンが絶えません。アナログレコードにはモノを所有できる楽しさがあります。レコード盤に刻まれた溝の上を針が回りながら音を再生する仕組みなので、繰り返し聴くほどレコードはすり減っていきます。お気に入りの音楽は大切に聴く、真剣勝負の時間が過ごせることもアナログ再生の魅力です。20代の音楽ファンにも「ジャケ買い」という言葉は伝わるのでしょうか? 筆者にはジャケ買いを通じて出会い、今も一生ものの長い付き合いを続けているアーティストがいます。

手間なしオート再生。LP/EPレコードに対応

サウンドバーガーの大きさは長手方向が約30cm、高さは7cm。質量は約900g。本体にはフル充電から約12時間のレコード再生が楽しめるバッテリーが内蔵されています。レコード盤を挟むようにセットして聴くハンバーガーのようなスタイルからその名が付けられました。1980年代のレトロな“メカっぽいデザイン”と鮮烈なフェラーリレッドのボディがオーナーの満足感を存分に満たしてくれます。

レコードを聴く時には、本体に収納するトーンアームを展開してから、アルミニウム製のプラッター(ターンテーブル)の中央に盤をセットします。アナログレコードには複数の曲をA・B面に収録する大きい盤のLPと、片面に1曲ずつ収録する小さなEPの2種類があります。それぞれ1分間に盤が回る数がLPは33-1/3、EPは45回転のものが多く、サウンドバーガーはそれぞれに合わせた回転数を選べます。EPレコード用のアダプターも同梱しています。

Bluetoothオーディオ機器とのペアリングは本体のボタンを長押しして、LEDのランプが点滅した状態からワイヤレスヘッドホンやスピーカーを接続します。スマホやパソコンのように、ペアリングの状態を目で見ながら確認できないところが最初は慣れないかもしれませんが、一度ペアリングができた後は機器を起動するだけで接続が完了します。

サウンドバーガーには微弱なアナログレコード再生の出力を増幅して、正確な音で再生するためのフォノイコライザーが内蔵されています。外部オーディオ入力を備えるオーディオコンポやアンプ内蔵スピーカーにケーブルでつないで楽しむこともできます。

本格派と呼べるバランスの良いサウンドと機能

アナログレコードプレーヤーは再生を繰り返すほどに針先が磨耗して、音質が劣化してしまいます。筆者はサウンドバーガーが外観の面白さだけでなく、針を交換すれば長くいい音が楽しめる「ユーザー思いな本格派プレーヤー」であるところに惹かれて、本機を手に入れることを決めました。

いつも使っているワイヤレスヘッドホン、ワイヤレススピーカーでサウンドバーガーの音を聴いてみました。スマホやポータブルオーディオプレーヤーによるデジタル音源の再生とはひと味違った、アナログレコードらしい深みのあるサウンドが楽しめます。

通常の黒いレコード盤と本体の鮮やかな赤もマッチしますが、様々な色のカラーヴァイナルを回してもとてもサマになります。軽く持ち運べるサイズなので、自宅だけでなく友だちの家にレコードコレクションと一緒に持ち出して、仲間と一緒にアナログ再生の魅力に浸るのも良いかもしれません。

華やかに復活を遂げたサウンドバーガーには往年のレコードファンから、好きなアーティストの限定レコード盤をとにかく聴いてみたい“アナログ入門”のビギナーにも、広くおすすめしたくなる魅力があります。

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スマートエレクトロニクス・ライター
山本 敦

オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はオーディオ・ビジュアルからIoT、ウェアラブルまでスマートエレクトロニクスを幅広くカバー。ヘッドホン・イヤホンは毎年300を超える新製品に体当たり中。国内・海外スタートアップの製品やサービスを多く取材、開発者の声を聞くインタビューなどもしています。
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