映画が好きで、俳優をやっている。映画のほかに、サッカーも私の心の中でひときわ輝く存在だ。特に私の地元・埼玉のサッカーチームである「浦和レッドダイヤモンズ」は、私が高校生のころから応援している特別なチームである。そんな浦和レッズにまつわるアイテムを紹介したい。
松㟢翔平
1993年生まれ、埼玉県出身。主な出演作に映画『激怒』、『葵ちゃんはやらせてくれない』、『kidofuji』、『雲ゆくままに』など。
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普段、あまり人に自慢できるようなものは買わないし、これから紹介する帽子もなんてことはない品だ。しかし、夏にAmazonで買った浄水器(これはこれで素晴らしい)よりは、心を込めて文章が書けるのではないかと思って選出。
Beyond magazine編集部さま、そして読者のみなさま。私の2024年のベストバイは、「浦和レッズのヴィンテージの帽子」です。
正式名称はわからない。ブランドタグもない。大阪のリサイクルショップで買った。値段は確か1500円くらいだったと思う。浦和から大阪に転勤したかつての「レッズサポーター」が、レッズサポーターであることを辞めて売り払ったのか? 敵地・大阪の街で主人から見放され、誰からも見向きもされず、ワゴンのなかで小さく埋もれていた可哀そうな帽子。
いったいこの帽子は何年前に作られたものなのか。浦和レッズのエンブレムはどこにも見つけられず、Jリーググッズについている公認タグもない。一応「RED Diamonds」、「Urawa Football Club」と書いてあるが、「浦和レッドダイヤモンズ」とはどこにも書いていない。君は本当に浦和レッズの帽子なのかい……?
それはさておき、私はこの帽子を気に入っている。私は浦和レッズを応援しに『埼玉スタジアム2002』に行くときは、必ずこの帽子を被っている。正面の刺繍の「POWER」、「PERFORMANCE」、「PRIDE」というのが良い。これらは、全部私に足りないものだと思う。
帽子の浅さも良い。私は少々頭が大きめなので、深い帽子を長時間被っていると頭の血流が悪くなって片頭痛になってしまう。片頭痛になると、応援どころではない。母親から受け継いだ片頭痛は色々なことがきっかけで起こるので、普段から気を付けている。
ただこの浅さのせいで、自転車に乗っているとき風に飛ばされがちだ。この前も、後ろを走っていたご老人にキャッチさせてしまった。本当に危ないので注意しなければならない。すべて一長一短だなと思う。
サッカーのサポーターは応援するチームのチームカラーを身に着けて応援に行く。だから、遠目には大きな一つの塊に見える。だけれど近くで見ると、結構みんなそれぞれ違っている。新旧ユニフォームや自作Tシャツを着る人、あえての私服で色を合わせている人。大昔の選手の擦り切れたユニフォームを着たベテランサポーターを見かけると、頭が下がる思いだ。
スタジアムの大きなうねりの中で、それぞれの「こだわり」=「チームへの愛」が光っている。私は来季も、このお気に入りの帽子を被って、浦和レッズの応援に行くでしょう。