忙しい家庭の必須調理器具といえば電子レンジ。ただし、たまのハレの日はオーブンやグリル調理をしたい場合もあるでしょう。ニトリのスチームオーブンレンジ「BK2C03」は、1000Wまで対応可能なレンジ機能に、オーブン、グリル機能を搭載。しかも、普段使いに嬉しい「2品同時あたため」機能まで搭載して3万円以下という価格を実現しています。この価格のスチームオーブンレンジは本当に使えるのか? 実際にその実力を検証してみました。

◯庫内容量(約):23L
◯本体サイズ·質量(約):W468×D426×H338mm·15kg
◯レンジ定格高周波出力:1000W(最大3分)、600W、500W、200W、100W相当
◯価格:29,900円(税込)
◯主な機能:レンジ、オーブン、グリル、2品同時あたため、スチームあたため(カップ式対応)
◯センサー:赤外線、温度、湿度
*一部離島では別途手数料がかかります
電子レンジにオーブン、グリル、カップ式で乾燥を防ぎながら加熱する機能といった多彩な機能を搭載したオーブンレンジです。3万円を切る価格ながら、赤外線・温度・湿度という3種類のセンサーを駆使した豊富な自動調理モードが利用可能。さらに、異なる2種類の食材をあたためる「2品同時あたため」など、日常使いに便利な機能が盛りだくさんです。


ボタンひとつで簡単にあたためができる手軽さ
毎日利用する筆頭機能といえば電子レンジでしょう。なかでも一般的な家庭で使用頻度が高いのが、調理済み食材を加熱する「あたため」機能ではないでしょうか? BK2C03は手動レンジ加熱もできますが、その場合は「レンジ」ボタンを押して出力ワット数を選択、加熱時間を設定後に「あたためスタート」ボタンを押す……とやや操作が複雑に感じられるかもしれません。しかも、当たり前ですが食材によって最適な設定は変わります。
そこで便利なのがBK2C03の自動あたため機能。庫内に食材を置いて「あたためスタート」ボタンを押すだけで、センサーが食材をちょうど良く加熱する機能です。今回、我が家では3週間ほど本製品を利用しましたが、一番よく利用したのがこの機能でした。食材を庫内に入れてボタン一つでちょうど良く加熱されるため、とにかく手軽で失敗がありません。
試しにレンジが比較的苦手とする冷凍食材(冷凍ごはん)を自動あたため機能であたためてみました。通常は「あたためスタート」ボタン1回で自動加熱しますが、冷凍食材の場合はボタンを2回押してスタート。その結果、ごはんは中心まで約95℃以上になり、端との温度差もほとんどありませんでした。

ごはん専用タッパーで冷凍したごはんを解凍。約180gのごはんが入っています

「あたためスタート」ボタンを2回押すと「冷凍あたため」加熱がスタートします

約3分半であたため完了。ごはんの端も中心部もすべて約95℃以上になっていました

ごはんもおかずもアツアツのまま食べられる
日常使いに便利な機能には「2品同時あたため※」もあります。これは、ごはんとおかずなど異なる食材を同時に温められるという画期的な機能です。電子レンジは食材の水分に反応して加熱するため、水分量の違うごはんとおかずを一緒に温めると、片方だけが温まりすぎたり、冷たいままという加熱ムラが起こりがち。そこで「2品同時あたため」はセンサーでそれぞれの食材を検知して加熱を調整するのです。
実際に常温のごはんと冷蔵していた前日の肉じゃがを「2品同時あたため」であたためたところ、ごはんが約86℃、おかずは約78℃と2品ともアツアツの仕上がり。「おかずを温めている間にごはんが冷えてしまった……」といった残念な失敗がなくなるため、一人での食事時に活躍した機能です。
※冷凍した食品は同時あたためはできません。同時あたためできる組み合わせは【冷蔵+冷蔵】、【冷蔵+常温】、【常温+冷蔵】、【常温+常温】です。
(みそ汁・スープなどの汁物、たれ・ソースのかかっている食品は同時あたために適していません。)

常温と冷蔵の同時加熱が可能、残念ながら冷凍品は混在できません

「2品同時あたため」もボタン一つで選択可能。よく利用する機能なのでありがたい配置です
日常的に活躍した機能には、この2品同時あたため以外にも、市販のお弁当を加熱する「お弁当」モードや「時短加熱」モードがありました。時短加熱とは、たとえば500W5分で加熱すべき冷凍食品の場合、加熱スタート後5秒以内に「時短加熱」ボタンを押すと、自動的に1000Wで2分半に再設定してくれるというもの。600Wあるいは500Wの設定時間が5分以内の食材にのみ利用できる機能ですが、忙しいときにはかなり便利です。

市販の冷凍カレーを時短加熱しているところ。通常加熱時よりやや熱ムラが発生しやすいですが、調理時間が約半分になるのは便利!

普段の調理の手間も自動調理で軽減
自炊をしている人にとっても本製品は便利です。個人的に便利に感じたのが、グリル機能を使って焼魚が調理できるところ。家庭によくある魚焼きグリルは調理後の掃除が大変ですが、BK2C03なら天板にクッキングシートを敷いて自動調理モードで加熱するだけ。調理後は自動調理モードの「庫内乾燥・脱臭」機能をつかえば、ニオイもほとんど残りません。自動調理なので焼きすぎの心配もなく、一般的なコンロ備え付けの魚焼きグリルを利用するより手軽かつ片付けも楽でした。

クッキングシートに魚をのせて焼く自動調理の「塩さけ・塩さば」メニュー

自動調理で焼きあがった塩鮭。魚焼きグリルほど強い焼き目はつきませんが、軽く焼き目もつき香ばしさは感じられます
調理でよく利用するレンジ機能といえば、解凍モードもはずせません。そこで、実際に約300gのミンチ肉を「強」設定で解凍したところ、解凍までに約13分かかりました。解凍後の肉はミンチ肉の中心6割くらいはまだ凍っているものの、手で簡単に崩れるくらいには柔らかくなっています。完全に解凍できたとはいえませんが、炒め物ならそのまま調理はできるという状態です。

約300gあった解凍前のミンチ肉

強設定で解凍しましたが、中心部はまだ溶け切っていません。自然解凍よりは早いものの、解凍性能は標準的といえるでしょう

インテリアを選ばない良デザインだが操作性は改善の余地あり
3万円以下の製品ながら、安っぽさのないデザインも魅力のひとつです。全体的にノイズの少ないシンプルなデザインで、ボタンは凹凸のないメンブレンスイッチを採用しています。
ちなみに、本製品の自動調理メニューは番号入力方式ですが、料理と番号の対応表は庫内床面にプリントされています。一般的なレンジのように本体外側に印刷していないので、本体デザインを邪魔しないのも個人的に気に入ったポイントでした。調理家電ながら、生活感を感じさせない工夫が随所に感じられます。

庫内床面にプリントされた自動調理のメニュー対応番号
反面、気になったのが操作ボタンの配置です。ボタンを目立たないようにするためかボタンの文字はやや細め。さらに「レンジ」「オーブン」といった重要なボタンから、「お弁当」「のみもの」といったサブ的なボタンまで、すべて同じようなデザインで並んでいるため、直感的に「まずどのボタンを押すべきか」がわかりにくい印象です。

液晶画面左右に同じようにズラリと並ぶ操作ボタン。重要なボタンがどれかわかりづらい上、文字の線が細くて視認性も微妙。ただし、その分インテリアを邪魔しないデザインになっています

機能、デザインともにこの価格帯の製品としては魅力的
3万円以下の電子レンジは、多くが単機能レンジか、オーブン機能がついていても機能が簡素なモデルが中心。そんななか、BK2C03は、この価格帯では非常に珍しい赤外線・湿度・温度という3つのセンサーを搭載。「解凍」モードなど、一部の調理ではやや残念な結果になることもあるものの、この価格帯でオーブン、グリル、そしてセンサーによる自動あたため機能まで備えている点は、大きな魅力です。

日常使いにとにかく便利なスチームオーブンレンジ
BK2C03は実際に使ってみて、正直気になる点もいくつか見受けられました。たとえば、スチームカップを利用した揚げ物の温め直しは、使ってみるとそこまでカリッと仕上がりませんでした。また、オーブン調理時は両端6cmほどは温度がやや低く、加熱ムラが出ることもありました。

天板全面でクッキーを焼いたところ。とはいえオーブンは端を利用しなければなかなか優秀でした
しかし、そもそもこの製品は3万円以下という価格が最大の魅力。この価格帯で、23Lというファミリー世帯でも使える容量、そして複数センサーを利用した賢い自動あたため機能に、オーブンとグリルまで搭載している点は素直に評価できます。また、ボタン一つでちょうど良く温めてくれる自動あたため機能や、忙しいときに役立つ時短加熱機能など「日常使い」の機能がしっかりと作りこまれている点も高く評価したいところです。
10万円を超える高級モデルのような完璧さはないですが、「安いレンジを探しているけれど、たまの"頑張りたいとき"に幅広く活用できるグリル・オーブン機能もほしい」という場合におすすめ。多くの人が抱える「ちょうどいい」ニーズを満たしてくれる製品だと感じています。
Photo : 下城英悟