お肌の美容の基本は、やはり保湿。潤いのあるつややかなお肌は若々しく見えるのはもちろん、外部からの刺激を受けにくく、肌トラブルになりにくい状態を保ちます。そんな保湿を叶えてくれる美容家電が、フェイススチーマーです。ニトリから登場した「速潤デイリースチーマー」をさっそく試してみました。

速潤デイリースチーマー
○本体サイズ·質量(約):W180×D180×H185mm・1.6kg(電源コード除く)
○定格消費電力:620W
○水タンク容量:200mL
○スチーム発生量:約15mL /分
○モード:速潤・クレンジング・温冷循環・潤いプラス・クールダウン
○価格:19,900円(税込)
※一部離島では別途手数料がかかります。
噴射ノズルを2つ搭載し、15mL /分と業界トップクラスのスチーム量を誇るフェイススチーマー。最短3秒でスチームが噴出し、6分で保湿ケアが完了する「速潤」モードや、常温スチームによる「クールダウン」モードなど、独自のモードを搭載しています。使わないときは内部を乾燥させてカビ対策ができる「乾燥」モードも。


スチーム量と粒子のサイズをチェック
そもそもフェイススチーマーとは、タンクに入れた水を本体内部で沸騰させ、ノズルから噴出したスチームを浴びることで肌を保湿する美容家電です。各メーカーからさまざまな種類が販売されていますが、基本的なメカニズムはほぼ同じ。そのため保湿される原理も同じですが、実際は製品によって、使いやすさや潤いの満足感は大きく異なります。
使用感と仕上がりに大きく影響するのが、スチーム量の多さ。一度にたっぷりスチームが噴出すれば、顔全体に十分な水分が行き渡り、短時間で効率的に保湿できます。発生できるスチーム量に加え、スチームを噴出するノズルが1つより2つのほうが、より広範囲をスチームで包み込みます。
さらにスチームの粒子の大きさも重要で、粒子が大きいとスチームが肌になじみにくく、顔に水滴がついてがびしょびしょになってしまうこともあります。一方、「ナノスチーム」など粒子が細かいスチームなら、たっぷり浴びても濡れた感じになりにくく、しっとりした仕上がりが期待できます。

スチームの量が多く、きめ細かいほうが、より効率的にお肌に密着します

立ち上がり3秒でスチーム噴出
今回使用したニトリの「速潤デイリースチーマー」は、ノズルを2つ搭載。さらにスチーム量も15mL /分と、大手メーカーの高価格帯のスチーマーと比べて多く、“業界トップクラス”を謳っています。それが2万円を切る価格で手に入るとなれば、期待が高まります。

すっきりしたスクエアフォルムで、どこに置いてもなじみます

2つのノズルからたっぷりのスチームが噴出します
スチームが温かくなってくると噴射の勢いが一気に増してきました。スチームも明らかに多く、目の前が真っ白に!ノズルが2つあるので、顔を動かさなくても顔全体がスチームに包み込まれます。また粒子もとても細かいため、これだけ大量のスチームを浴びても顔がびしょびしょになることはありません。ちなみに水タンクには200mL入りますが、12分間の「潤いプラス」モードでちょうど使い切ります。

必要な水量はタンク横に記載されています。満タンに入れても「潤いプラス」モードで使い切りました
ユニークなのが、2つあるノズルの角度がそれぞれ独立して動かせること。上下はもちろん左右にも動かせるので、自分の顔の位置に合わせるのはもちろん、「顔とデコルテ付近を一度に保湿したい」といった使い方にも対応できます。

ノズルの向きが自在に動くので、使いやすい位置を見つけて

2万円を切るのにかなり多機能
2万円を切るフェイススチーマーの多くはノズルが1つのみなので、2つあるだけでも感心しましたが、それだけではありません。多くはボタンを押すとスチームが出るだけの“1モード”であるのに対し、本製品は前述の「潤いプラス」のほか、6分間の時短コース「速潤」モードや、メイクを浮かせる「クレンジング」、温スチームと常温スチームを交互に繰り返す「温冷循環」、冷スチームによる「クールダウン」と5つものモードを備えているのです。
そのため朝はささっと「速潤」で、夜のメイク落としに「クレンジング」、お風呂あがりに「クールダウン」など、さまざまな使い分けが可能です。(1日の使用は1回まで)

MODEボタンを押すとランプが点灯するので、何度か押して使いたいモードを選びます
意外だったのが、「クールダウン」や「温冷循環」の“冷”で使われるスチームが、“常温”であったこと。一般的に他社のクールダウンでは、水をミスト状にして噴出する「冷ミスト」を採用しています。そのため顔に当たるとひんやり感じ、お肌がキュッと引き締まるのを感じますが、本製品のクールダウンはふわふわした“常温”スチームなので、温かくも冷たくもないスチームに顔を包まれる感じです。
実際に温スチームと常温スチームの温度を測ってみたところ、温スチームは42℃とちょうど温かさを感じる温度でしたが、常温スチームは29.4℃と、やはり冷たくはありません。そのためクールダウンや温冷ケアをイメージして使うと、少し違う印象になりますが、温スチームを浴びた後やお風呂上がりに使えば、お肌をほどよく冷ましてくれます。
ちなみにこの常温スチームは、温スチームとは異なる機構で作られており、そもそも加熱もされていないそう。温スチームは一度沸騰させた蒸気なので除菌されていますが、沸騰していない水は衛生面で注意が必要かもしれません。

ノズルに向けて温度を計測すると、温スチーム時は42℃

常温スチームは29.4℃でした。「温冷循環」モードでは、常温スチームになったときの切り替わりがややわかりにくかったです

水タンクが着脱しやすく手入れが楽
水タンクが手の届きやすい位置にあり、着脱しやすいのが気に入りました。スチーマーの中には水タンクが本体の背面にあって見えにくかったり、取り外しづらかったりするものも少なくありません。本製品は、簡単に引き抜け、向きも気にせず押し込めば設置完了。
また、使用後は必ず排水が必要ですが、コードが本体から外せるので、シンクなどへの持ち運びが便利。本体を傾けながら、底面にある排水ボタンを押しながら、背面にある排水口から捨てます。本製品は電源ボタンを含め全体的にボタンが固く、特に排水の作業は力が必要だと感じました。

底面のボタンを押しながら、背面から排水するので、少し面倒です
フタを開くと内側にあるミラーがあり、これも便利でした。大きいので見やすく、朝スチーマーでお肌を整えたあと、そのままメイクをするのに大活躍でした。ライトがついていれば、なおありがたいですね。

ミラーが大きくはっきり映るので、スチーム後のスキンケアやメイクや重宝しました

高価格帯スチーマーより高機能で高コスパ
本文中にも触れているように、15mL /分という圧倒的スチーム量や、立ち上がり3秒でスチームが出る点は、本製品ならではの特徴です。特にスチーム量の多さは、スチーマー本来の性能を存分に発揮してくれるので重要なポイント。実際に目視で比較しましたが、明らかにスチームが多く、潤いをたっぷり届けてくれます。
さらに2つのノズルを搭載し、モードも多数備えているのは、スチーマーの中でも高機能タイプのみなので、それが2万円以下の本製品に搭載されているのは、かなりの高コスパといえます。

スチーム量に不満がある人は買い替えを
フェイススチーマーは、電気刺激などを使う他の美容家電に比べるとシンプルで、効果も実感しやすいためおすすめのジャンルですが、特に本製品は2万円以下ながら、それ以上の機能を搭載していると感じました。インテリアになじむシンプルなデザイン、スチームの圧倒的な量ときめ細かさ、給水しやすさなど、使い続けたくなる要素が多数あります。唯一、常温スチームの温度がもう少し低いと、より明確な特徴になったかもしれません。
実際、筆者も毎朝使ってみましたが、4日目あたりから手触りの違いを感じるようになりました。簡易的なスキンチェッカーで肌水分量を測ると、使用前は40%を切ることが多かったのが、1週間後には安定して50%以上に。この保湿力が実感できるスチーマーが2万円以下というのは、やはりコスパがいい。初めての人はもちろん、以前購入したスチーマーのスチーム量に不満がある人も、ぜひ検討してほしい製品です。

毎日使うと、スチーム前でもお肌のうるおいを感じられました。乾燥が気になるこれからの季節に!
Photo by : 下城英悟











