国分寺の「胡桃堂喫茶店」でお月見定食＆南瓜のプリンをいただきます！

の前に、胡桃堂喫茶店は味を楽しむじゃなくて空間も丸っと楽しめてしまうということをお伝えしたくて。店内はどこかから木の自然な香りがずっとふわりとしていて、人の作った建物の中にいるのになぜか森にいるような感覚になるくらい空気がどっしり落ち着いている。

風通りがなんとなく良くて、その人がそこにいるだけで落ち着ける空間なのです。居る人もひとりで本を読んだり、お友だちとおしゃべりをしたり、いろんな人が安心して過ごしている気がします。そんな胡桃堂喫茶店にいる気持ちで、読んでくれたらうれしいです。ではでは、いよいよお食事の話を！

お月見定食「かぼちゃごはん」「鶏の唐揚げ（胡桃の甘酢だれときのこ炒めのせ)」「お月見汁」の三品がまあるいお盆に乗ってきてくれます。鮮やかでワクワク、優しい香りがゆらり。

まずは、お月見汁をいただいて喉と身体をあたためました。優しい昆布のお出汁とお醤油が体に染み入ってほぐれて行く感覚。深い黄色とかオレンジって、なんか食欲そそられませんか？　この時期、町中に溢れるお月見限定メニューはどうしても美味しそうに見えて吸い込まれちゃう、困る！

深いオレンジ色のかぼちゃがお米に絡んでなんとも食欲を誘うかぼちゃごはんは、一口食べてびっくり！　優しい甘みと塩気とごま油の香ばしさで口の中があたたかくほぐれてしまいました。ほんとうにほっぺたが落ちちゃうかと思った！

胡桃堂喫茶店の方にお話を聞いたところ、この柔らかいかぼちゃはスチーム調理をして、ごま油とお塩で炊き込まれたごはんと最後に混ぜ合わせているのですって！　だから、この両者引き立つ、粒だったごはんとホクホクのかぼちゃが存在できたのか、感動。

そして、ついに、大好きな唐揚げ！　根菜と胡桃と大きめ一口サイズ唐揚げを一口でパクリ！　柔らかくて旨味の強い唐揚げに胡桃のザクザク感と甘酢味のシャキシャキの根菜類、あんまりにも合いすぎて、そして新感覚の唐揚げでスイスイ食べられてしまった。唐揚げの旨みを存分に引き立ててくれる甘酢味とあの胡桃のザクザク感がもう病みつき。胡桃ってこんなにお食事と合うんだ。

最近風邪をひいてしまってから油物を食べると胃もたれしがちの私の胃袋でも余裕で受け止められて、身体にも良いのではないかしら、とお話を伺ってみたところ、唐揚げはノンフライでオーブンで焼いているのだそう！　サクサク感を増すべく、胡桃を和えてるのですって。罪悪感もなく、唐揚げをこんなに美味しく食べることができるなんてすごい時代に生まれてしまった。（背徳感を感じるのも好きなのだけど）

お月見定食はそれぞれにしっかり優しい味付けがされているから、三角食べするのにピッタリで一口唐揚げ、同時にかぼちゃごはん。お吸い物の小松菜と温泉卵と一緒にかぼちゃごはん、唐揚げ食べた後にお吸い物とかを永遠とくり返すことができて、一瞬で完食してしまいました。いやー！　幸せな時間だった……。

食事を食べ終わった後、華やかでコクの深い中煎りホットコーヒーをいただいて、甘いものがほしくなりますよね。そうなんです、かぼちゃプリンが待っているのです！

かぼちゃプリンはもう360°どこから見てもあんまりにもフォルムが美しくて、一目惚れしたみたいにまじまじみてしまいました。黄金色のカボチャの土台にカラメルソースとあんことシャンティクリーム、かぼちゃの種が乗っていました。

黄金色の四角いカボチャ、なにもつけずにまずいただきました。びっくり、まるでカボチャをそのまま食べているかのよう！　かぼちゃの優しい甘みが口の中でまろやかに溶けていきました。カラメルソースも強い苦味ではなく香ばしくて華やかで、かぼちゃの甘味と共存していました。美味しい。単体でこんなに強い2つにあんことシャンティクリームが混ざり合ったら、もうすごくて！　満月そのまま食べちゃうくらい美味しくて、美味しくて！　美味しくて！！

あんこの甘みとかぼちゃの甘味、カラメルの香ばしさを出来立てのしっかりしていて軽いシャンティクリームが包み込んで飛び上がりそうになっちゃった。胡桃堂喫茶店だから頑張って我慢したけど、お家だったら飛びあがっちゃってた！　すいすい、重たいスプーンで大事に掬いながら口に運ぶのも愛おしい時間でございました。幸せだ。

食べた後に鼻を抜けるかぼちゃプリンの余韻を噛み締めながらぼーっと店内の平くて白いライト、青くて白いライト、緑のあたたかいデスクライト、外のやわらかいひかり、ふわりとした木の香り、美味しいコーヒーとゆらゆらした気持ちになりながらなんとも贅沢な気持ちになりました。

Text：瀬戸璃子
Photo：関口きらら
Edit：小林雄大