掃除したいときにサッと使えるコードレス掃除機は、いまや掃除機の主流となりつつあります。一般的に吸引力が強いものは値段が高く、逆に値段が安いものは吸引力が弱い傾向にありますが、ニトリのコードレススティッククリーナーMA201SCは19,990円(税込)とリーズナブル。となれば後者に該当しそうですが、実際どうなのでしょう。これまでコードレス掃除機を200台以上試用してきた視点から、ニトリのコードレス掃除機はポテンシャルをチェックしました。
製品概要
質量(約):1.1kg
連続使用時間(約):標準:30分/強:13分
充電時間(約):3時間
価格:19,990円(税込)
ニトリとエディオンが共同開発したコードレススティッククリーナー。質量約1.1kgと軽量ながら、最大毎分13万回転する高速吸引モーターとモーター駆動の回転ブラシを搭載し、パワフルかつ効率よくゴミを吸い取ります。付属の2WAYノズルに付け替えれば、すき間掃除も手軽に。ホワイトとブラックの2色展開。
家電のプロによるガチレビュー
(1) 吸引力
「壁の隅やカーペットのゴミも残さず吸い込む吸引力」
本製品を手にして、まず驚いたのが軽さです。近年は1kgを切るコードレスがないわけではないですが、やはり約1.1kgはかなり軽い。一方で全体的にコンパクトなこともあり、「吸引力は強くないお手軽モデルかな」という印象でした。
ところが実際に日常的な掃除で使ってみると、ゴミの吸い残しがありません。すいすいと軽い力で動かせるのに、床のゴミが一度できれいになくなるのです。試しにカーペットに糸やフェルトをすり付け、標準モードで掃除してみたら、いずれも一度できれいに吸い込みました。これは吸引力に加え、回転ブラシの効果も大きいでしょう。
続いてフローリングの壁際に小麦粉を撒いて掃除してみました。さすがに一回ではすべて取りきれなかったものの、3往復ほどで壁際からフローリングの溝に溜まった小麦粉までスッキリ!
(2) 取りまわしやすさ
「小回りが効き、家具の下も奥まで掃除できる」
個人的にもっとも魅力を感じたのが、取り回しやすさです。そもそも軽いので、ほうき感覚で手軽に使えますし、ヘッドが左右に90度近く曲がるので、家具まわりにも思い通りにアプローチしてくれるのが快適。ヘッドがコンパクトなので、狭い場所に入りやすいのもメリットに感じました。倒せばフルフラットになるので、ソファやベッド、棚の下も奥まで掃除できます。
(3) 床以外の場所の掃除
「軽いから階段や高い場所の掃除もラクラク」
移動が面倒な階段掃除がラクにできるのも、軽量コードレスならでは。ヘッドを2WAYノズルに付け替えれば、カーテンレールやエアコンまわりなど高い場所の掃除もできますし、ハンディにすればソファのすき間や車のカップホルダーまわりなど、掃除しにくい場所も手軽に掃除できます。もちろんゴミ残しもなし。
(4) お手入れのしやすさ
「ワンタッチでゴミが捨てられ、ダストケースは丸洗い可」
コードレス掃除機はダストケースが小さくゴミが溜まりやすいので、ゴミの捨てやすさもチェックしたいポイント。中にはダストケースを本体から外し、ひっくり返して捨てるなど手間がかかるものも多いですが、本製品は本体から外すことなく、レバーを押すだけでパカっとフタが開き、ワンタッチでゴミが捨てられます。ダストケースと2つのフィルターを水洗いできるので、清潔に保てるのも嬉しいところ。
他社製品との比較
「置く場所は自由も、充電忘れにはご注意」
気になったのは充電スタンドがない点ですが、ゴムの滑り止めがついていて壁に立てかけられます。置き場所や収納場所などを選びませんが、使用後は充電アダプタに接続する必要があり、忘れてしまうと、次に使う時にバッテリーが切れてしまうなんてこともあるので注意が必要。ブラシに毛が絡まってしまった場合も簡単に取り外せるので、お手入れ自体は楽です。
家電のプロによる評価
「日常的なちょこちょこ掃除ならこれで十分」
軽くて小回りが効くうえ、日常的な掃除では十分な吸引力があるので、これがあれば意識せずに掃除が習慣化しそうだと感じました。音も静かなので、(個々の状況によりますが)これまで音が気になって掃除しづらかった環境や時間帯でも使えるかもしれません。日頃のちょこちょこ掃除なら、これ一台で十分任せられます。
Text:田中真紀子
Photo : 下城英悟(グリーンハウス)