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ウェルネス

手に入れて、手放して気づいたこと

人生最大金額の買い物|クリエイター・しんごの場合

author: Beyond magazine 編集部date: 2025/07/01

未来のために貯金や投資をすることはもちろん大事だけれど、時には人生を変えるような、大きな買い物をすることも必要だ。仕事をアップグレードするもの、生活を豊かにするもの、遊びを満喫するもの……。気になるあの人は、何をどんな決断で買ったのだろう。
 
今回、人生最大金額の買い物を教えてくれたのは、クリエイターのしんごさん。粘土で作ったじゃがいも、想像でさまざまな人物を作るごんし人形……。幼いときの遊びを思い出すようなユニークな発想が眩しい。そんなしんごさんは一体どんな買い物をしているのだろう?

しんご

小さい頃から絵を描いたり何かをつくることが好きで、その延長でずっとものづくりを続けて今に至る。自分の作品をつくったり、デザインの仕事をしたり、童心と遊びを大切にしながらいろんなものをつくっています。

Instagram:@1000000cm
X:@gonshiramukana
HP:https://zibun100.com/

買ったときのワクワクが
自分の作品にもあるといいな

何かを買うときに、ためらいや迷いはあまりないタイプです。出会ったら悩まない。

この間イベントに出店したとき、グラフィックデザイナーの高田唯さんが、踏まれてぺちゃんこになった空き缶に塗装した作品を出品していて。なにこれ面白い! と気に入って購入しました。

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最近買ったお気に入り/高田唯さんの作品

生活に役立つわけじゃないけれど、創作のエネルギーをもらえるものを買うことが多いかも。ETのゴリラみたいな謎の人形や昔のハッピーセットのバービーなど、可愛いなと思って買いました。

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最近買ったお気に入り/ETみたいなゴリラと昔のハッピーセットのバービー

近所にホビーオフというおもちゃ専門のリサイクルショップがあって、頻繁に行っています。子どもと一緒に行っておもちゃを買い漁るときもあれば、アイデアを探しに行くことも。

おもちゃ、作家さんの作品、本は、出会ったら迷わず買います。

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作業部屋の本棚と気に入って買ったものたち

自分が他の作家さんの作品やおもちゃを見つけたワクワクと同じように、自分の作品も手に取ってもらえたら嬉しいなという感覚が買い物にはあります。ワクワク感を忘れないために、何かを買っているところはあるのかも。

じゃがいも(粘土で作っている)

作品のことは基本的にずっと考えていて、妄想を続けています。散歩しているとき、面白い違和感のある何かを見つけたら写真を撮っていますし、日常生活の中で面白いと思ったものはすぐにメモ。スマホに箇条書きしています。

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ごんし人形

それが作品の種になっていて、そこから形に起こすこともあります。生活の中からアイデアが出てきている感じがあります。

リラックスカード

作品づくりは、自分が楽しむことを大切にしています。「誰かのために」という感覚でやり始めるとそれが達成しなかったとき、人のせいにしちゃう。自分が楽しんでいたらいいと思うんです。その作品を見て楽しんでくれる人がいたらいいな。

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1月にした個展 これまでの振り返りも兼ねた内容

人生最大金額の買い物は
マイホームの購入!?

人生最大金額の買い物と言われて、これしか浮かばなかったです。マイホームの購入。……ですがほとんど住むことなく、売ってしまいました。

3年ほど前、田舎に移住しようと家を購入しました。子どもが産まれて1年ほど経ったころ、ちょうど会社員を辞めて。コロナも一番ひどいときでもあったので、自然がたくさんでのびのび暮らせる且つ制作できる環境を拡大したいという気持ちがありました。

買った家のリフォーム途中

半分ほどリフォームして引っ越したのですが、移住した途端、家族全員が体調やメンタルを壊してしまって……。ご近所付き合いなど特に何かあったわけじゃないのですが、環境がガラリと変わったことで何か異変が起きたのかもしれません。最初に子どもの様子がおかしくなったのを見て、どんどん不安に押し潰されて、逃げることばかり考えていました。

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お気に入りのぬいぐるみ

一旦避難するつもりで必要最低限の荷物だけ持って、前の家に戻ったらみんなみるみる元気になって。新居に住むことを全力で拒む自分がいて、これは無理だと判断し、結局すぐ売りに出しました。あのまま引っ越していたらきっと自分も家族も壊れていたと思います。

地方の家だったので、リフォーム込みで1500万円ほど。ローンではなく一括で購入していたので、売るときにややこしい手続きがなかったのは救いでした。

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移住を断念して戻ってきてすぐにホームセンターで木材を買って棚や机を作った自分の部屋

購入するときは、希望しかありませんでした。ワクワクの方が大きくて、買うことへの不安はなかった。基本、何事もやってみなきゃわからない! と思っていますね。考えたらなるべく早く行動に移して、そこから修正していく。飛び込んでみないとわからないことの方が多いし、考え過ぎたら動けないじゃないですか?

作業部屋

マイホームを購入して手放して、得たものはたくさんあります。結局前住んでいた家に戻ったのですが、もともと狭くて嫌だなと思っていた小さな家も、家族との距離が近くて最高! と思えるようになったり、マイナスだと感じていたことがプラスに捉えられる視点を得たりできましたね。

近くにあった環境も、手放していいやと一度は思いましたが、戻ってきてキラキラして見えました。そういう気づきは大きかったです。

今回の移住と引き返す決断をしたときに、自分が何を捨てられるかが分かりました。マイホームの購入は、もちろんすごくお金をかけたけれど、それよりも家族の健康の方が大事だと選択できました。買って、手放して、むしろ良かったと今は思えています。この経験をこれからに活かせたらいいんじゃないかな。

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絵描いたり粘土したりする机

それでも一軒家への憧れはあり続けます。これから大きな買い物をするとしたら、また家を買いたい! というのも、仕事場と生活が同居している環境にやはり憧れがあります。

今は住んでいる家のすぐそばのマンションを借りて、仕事部屋にしているのですが、常に何かを作っていたいタイプなので生活の中にまとめたい気持ちがあります。

生活も作品制作も、これから少しずつ整えていけたらいいなと思っていいます。今ある環境を大切にしながら一歩一歩未来へ進んでいきたいです。

Text&Edit:久保泉

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