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IFA2023で見た、最新スマホを総括

スマホデザインの新しい風! 日本未上陸、群雄割拠のシン・スマホ

author: 山根 康宏date: 2023/11/04

誰もがiPhoneを持つようになって、スマホそのものがつまらなくなった、そう感じている人もいるのではないだろうか。海外を見れば新世代デザインのスマートフォンが次々と登場している。その立役者となっているのが本体を折りたたむことのできる「フォルダブルフォン」だ。9月にベルリンで開催されたIFA2023ではスマホの概念を変えてしまうデザインのフォルダブルフォンも次々と発表されたので紹介しよう。

持つことを魅せる! ハンドバッグスマホ「V Purse」

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ハンドバッグのように持ち運べるスマホなんてあっただろうか?

2021年に登場し瞬く間にスマホ市場での立ち位置を確立した「Honor(オナー)」。「V Purse」は、勢いを増す同ブランドの話題の折りたたみ型スマートフォンだ。

注目いただきたいのは製品名。「V Purse」の「Purse」とはお財布、特に女性がもつ財布を意味し「V Purse」はたたんだときに高級なお財布、あるいは小型のハンドバックのように持ち運べるチェーン式のストラップを取り付けることができるのだ。

しかも、折りたたんだ状態でも外側にディスプレイがあり、その画面にはレザー風のあしらいや、チェーンアクセサリーをつけたデザインを表示することができる。まるで本物の小型バッグのように持ち運ぶことができるのである。

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「V Purse」は開くとほぼ正方形の折りたたみできるスマホだ

スマートフォンに自分好みのケースをつけて着飾る人は多いだろう。だが、最近のスマートフォンはただでさえ大型化が進んでおり、それにケースをつけるともはやポケットや小さなカバンに入れるのも面倒なくらいだ。

かといって首から大きなスマートフォンをぶら下げるのもなんだかかっこ悪い。「V Purse」は折りたたみスマートフォンという大型の製品を、あえて「ファッションアイテムとして」持ち運べるようなデザインに仕上げているのだ。裏側のディスプレイにQRコードを表示すれば、お財布を使ってそのままモバイルペイメントもできる。

ちなみに中国ではすでに発売されており、価格は約12万円。iPhone 15と変わらぬ価格でこんなスマートフォンが買えるのだ。

携帯電話研究家山根康宏
公式You Tubeチャンネルでは
IFA2023会場から「V Purse」ブースを現地レポート

携帯電話研究家山根康宏公式You TubeチャンネルではIFA2023会場から「V Purse」ブースを現地レポート

レトロかわいい! フリップスマホ「X Fold」

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小さくおりたためるX Fold。なお展示はモックアップだった

折りたたみ式のスマートフォンには2種類の製品が存在する。先に紹介した「V Purse」のように本体を横に折りたたむモデルは、小型タブレットとスマートフォンの1台2役をこなしてくれる。

一方、もうひとつのスタイルが本体を縦に折りたたむフリップ式のスマートフォンだ。前述の「Honor」と同じく中国・深圳発のブランド「Ulefone(ウレフォン)」の「X Fold」は、たためば手のひらサイズのコンパクトなボディで、本体を開けば普通のスマートフォンとして使うことができる。

詳細スペックはまだ未定だが、閉じたままでも通知を見ることのできるサブディスプレイが外側に備わっていて、メインカメラは1億画素なので、閉じたまま高画質なカメラで自撮りも可能だ。

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レトロ風な色合い、革調仕上げで肌触りも良い

ボディーはレザー調の仕上げになっており、クラシカルな色合いのグリーンとフレームのゴールドカラーのマッチングがどことなくレトロな雰囲気を出してもくれる。折りたたんだまま、あるいは本体を開いたまま人に見せたくなるデザインだ。

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開けば普通のスマホとして。L字型に曲げても使える

フリップスタイルのスマートフォンは、すでに「サムスン」や「モトローラ」など大手メーカーも販売しているが、価格は10万円以上と高価だ。ところがこの「X Fold」は300から400ドル程度、つまり5万円から6万円程度で販売される予定だという。

価格重視のミドルレンジスマートフォンの価格で、フォルダブルデザインモデルを買うことができるというわけだ。「スマホにはお金をかけたくないけど人と違うものが欲しい」なんて人は、この「X Fold」のようなデザインに特徴ある製品を選んでみてはどうだろう。発売は2024年を予定している。

背面がクールに光る! ミニマリストスマホ「Pova 5 Pro 5G」

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背面のライトが光る「Pova 5 Pro 5G」

背面が光ることで話題となった「Nothing Phone」を知っているだろうか。iPhoneを透明にしたような背面デザインで、円形のLEDライトが音楽再生や通知に合わせて光ってくれる。音ではなく、光を使ったノーティフィケーションというアイディアは目新しいが、ライトの色はホワイトのみでやや単調と感じる人もいるようだ。

さっそく中国新興メーカー「Unihertz」が「Luna」という「Nothing Phone」をカラフルに光らせるスマートフォンを投入しているが、野暮ったさが増してしまい「Nothing Phone」の良さを完全にスポイルしてしまった。

「Tecno(中国・深圳)」がアフリカやインドで販売する「Pova 5 Pro 5G」も背面が光るスマートフォンだが、そのデザインは精錬されている。背面は楕円のパネルを中心にタイルを張り合わせたようなデザイン。そのタイルのつなぎ目と楕円中央のラインが光るのだ。

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点滅パターンを設定しておけば、光を見るだけでなんの通知かがわかる

「Nothing Phone」のように目立つような光りかたをせず、暗闇でさりげなく光るのが上品な印象も受ける。ダークなボディーに青、緑、赤などのライトがライン状に光るのである。

光の色や点滅パターンは自由自在に設定できるので、インスタの通知が来たら赤いライトを走るように光らせる、といった設定も可能。スマートフォン本体の画面を見ることなく、今何が起きているかを知ることができるわけだ。ミニマリスト向けのスマートフォンでもあるのだ。

スマホを長く使いたい! 分解・パーツ交換自由な「Fairphone 5」

今やスマートフォンなしの生活はありえないだろう。それだけに毎日使っているスマートフォンが突然故障してしまうと大変だ。メーカーやキャリアの店舗で修理を出すにも時間が取れなかったり、予約が取れても1週間後……なんてこともあるだろう。

「Fairphone 5」はスマートフォンのすべてのパーツが交換可能な設計になっており、オンラインで注文すれば指定されたパーツだけが自宅に届く。分解はプラスの精密ドライバーがあればよく、背面カバーも取り外しできるので電池交換も簡単にできるのだ。

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自分で修理ができるFairphone 5

ヨーロッパ生まれの「Fairphone 5」は、もともとは一度買ったスマートフォンを長い期間使いたいという、モノを大切にしたいと考える人向けに開発された。

初代Fairphoneから数えて5世代目になる「Fairphone 5」は5G通信に対応し、5000万画素カメラを2つ搭載するなど性能も高い。本体は再生素材を多用したサステナビリティーを考えた製品でもある。

さらに、メーカー保証は5年、OSアップデートも5年、セキュリティーアップデートは8年を確約。さすがに8年間も使い続ける人はいないかもしれないが、購入して2、3年でアップデートが打ち切られるスマートフォンより安心して使い続けることができる。

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ドライバー1本でバラバラに分解できる

スペアパーツはディスプレイ、バッテリー、カメラモジュール、スピーカーユニットなどで、故障したパーツだけを購入して交換できる。意外と故障の多いUSB端子部分も交換可能なので、日々USBケーブルを乱雑に抜き差しする人でも安心して使い続けることができる。

スマートフォンを長く使い続けたくても、故障したときにすぐに修理したいと考えている人にはうってつけの製品と言えるだろう。

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すべてのスペアパーツ。一式そろえておきたくなる

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携帯電話研究家
山根 康宏

香港在住。最新のIT・通信事情を取材するため世界各国の展示会・新製品発表会を1年中追いかけている。日本のメディアに海外事情の執筆記事多数。訪問先では現地取材と称し地元のキャリアや家電店を訪問し必ずスマートフォンを買い求める。最新のハイスペックモデルからジャンクなレトロ端末まで興味の幅は幅広く、時には蚤の市で20年前の携帯電話を買っては喜んでいる。1度買った端末は売却せず収集するコレクターでもあり、集めた携帯電話・スマートフォンの数は1700台を超える。YouTubeでは日本で手に入らないスマートフォンや香港情報を発信している。YouTubeチャンネルは「yamaneyasuhiro」。Twitter ID「hkyamane」、Facebook ID「hkyamane」。
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