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アート

小さい頃から好きで続けていたことってある?

はじめのい~っぽは何?|マトバユウコ

author: 三谷温紀date: 2024/12/18

ものづくりをしている人は、自分の世界観を表現できて羨ましいなと思う。イベントや展示会、コラボなど……さまざまな場所で活躍する彼らも、ものづくりをしようと思ったはじめの一歩が案外身近なところにあるはず。


今回話を伺ったのが、広告系のデザイナーとして会社勤めをしながら、イラストレーターとしても活躍しているマトバユウコさん。今年10月には表参道で個展を開催し、似顔絵ワークショップも即完売するほどの人気さ。そんな彼女の、作品をつくるようになったきっかけや、現在に至るまでの過程とは?

マトバ ユウコ

95年生まれ北海道出身、東京在住。イラストレーター、グラフィックデザイナーとして活動中。ややふてぶてしい女の子を描くのが得意です。

Instagram:@matobakkusu

会社勤めだけでは飽き足らず、イラストを描くように

──現在は、イラストレーターと並行して、広告制作会社でグラフィックデザイナーとして働かれていますよね。

幼少期からイラストを描くことが好きだったので、デザインの専門学校に通うようになりました。ただ、当時からイラストレーターを目指していたわけではなくて……。学校に通っている間に、グラフィックデザインの楽しさに気づき、広告制作やパッケージデザインなど幅広く携われるところに魅力を感じてグラフィック制作の会社に入社しました。

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──会社に勤めながら、イラストレーターとして活動を始めたのはどのようなきっかけがあったんですか?

グラフィックデザインの仕事では、イラストを描く機会はほとんどないので、生活のなかでイラストを描くことが減ってしまって。仕事もハードスケジュールで、忙殺される日々を過ごしていくうちに、創作意欲がパッタリなくなってしまいました。ただ、そんな毎日がだんだんと物足りなくなってきて、Instagramに自分で描いたイラストをアップし始めたんです。

最初は友達しか見ていなかったのが、徐々にいいねが増えてきて。ちょっとした好奇心で個展を開いたところ、思いのほか反応が良く、絵を飾らせてもらえる機会が増えていきました。

──忙殺されながらも、毎日絵を描く習慣があったんですか?

デザイン系の専門学校時代に、仲の良い先生に毎日一個は何かつくった方がいいと言われたことがあって。モレスキンの黒いノートに必ず一日一個、映画のチケットを貼ったり、気に入ったポスターの切れ端を貼ったり、自由につくる習慣をつけていたんです。

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学生時代につくっていたモレスキンノートのコラージュ

自分だけの世界をつくる手段がイラストだった

──小さい頃からイラストを描くことが好きだとおっしゃっていましたが、当時はどんなイラストを描いていたんですか?

小学生の頃は、女の子のイラストからリアルなデッサンまでいろいろ描いてましたね。キャラクターを自分なりにアレンジして描いていたら、学校内で「絵が欲しい」と言ってくれる人たちが出てきて、描いた絵を配っていました(笑)。

イラストを本格的に好きになったのは高校生の頃かなと思います。学園祭のポスターを決めるコンテストで採用されたり、部活のポスターやクラスTシャツのデザインを任されたりと、人に褒めてもらえるようになっていきました。

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──当時から現在と同じスタイルが出来上がっていたんですね。なにか影響を受けていたことがあったんですか?

小さい頃は、まだ起きていない未来の話をしたり、考えたりすることが好きでした。妹と将来の夢の話や架空のキャラクターの話をしたり、住みたい家の間取り、欲しい服やしたい髪型など、小さい頃に叶えられないことをイラストで描いていた記憶があります。

社会人になってからは、新卒で入った会社の社長がグラフィックデザイナーとイラストレーターの両方している方で。その方の存在も今の自分をつくっていると思います。

──小さい頃、楽しいと感じていたことをずっと続けている感覚に近いんでしょうか?

そうですね。ただ純粋に楽しくて、それがずっと続いているだけなんです。小さい頃から描くことが楽しかったし、人から反応をもらうのもうれしかった。ここ数年、個展を開くことが少なくなってきたので、自分の作りたいものをどんどん作って、皆さんにお披露目できる個展を開いていきたいです。

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ライター・編集者
三谷温紀

2000年生まれ。ファッション業界のウェブメディアでライター・編集者として会社員をする傍ら、カルチャーやビジネスメディアでも執筆活動を行っている。フェミニズムやメンタルヘルスなどのトピックに興味関心を持ち、メンタルヘルスコミュニティ『紡』を運営中。
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