下北沢といえば演劇の街、演劇の街といえば下北沢! とはいえ、「下北沢には遊びに行くけど演劇は観たことない」「観劇は気になるけど、どこに観に行ったらいい?」なんて人も多いはず。そこで、ビギナーにもおすすめな下北沢での観劇プランをご紹介! モデルのミノリさんと俳優の佐々木藍さんに、実際に演劇作品を観てもらった感想とあわせてお届けします。

ミノリ
モデル/ライター。2000年生まれ、神奈川県出身。学生時代からモデル活動をはじめ、広告やMV、ファッション、芝居など活動の場を広げている。モデル活動の傍ら執筆活動も行う。カルチャーが大好き。一人旅、読書、レコード集め、ジャズ喫茶、お酒…豊かな生活を模索中。特技はピアノ。
Instagram:@mino_nono_mino

佐々木 藍
自称・俳優
観劇前後の楽しみ方のすすめ
下北沢には劇場が多く、最もキャパシティの大きい本多劇場をはじめとした「本多グループ」だけでも8つの劇場があります。それが、下北沢が演劇の街と呼ばれる所以。客席は大きい劇場だと400席弱、小さいと数十席で、臨場感のある体験ができるのも特徴です。


下北沢駅前で待ち合わせ!

平日の夜公演は19:00以降の開演が多いので、学校や仕事の帰りにも立ち寄れます。昼公演の場合は13:00~14:00の開演が多いので、ランチをしてから観劇、なんてプランもよいかもしれません。

駅を出て東北沢方面へ行くと見えてくるスーパー・オオゼキの手前を右に曲がってすぐの「劇・小劇場」の前には、本多グループの各劇場で上演中の作品ポスターが並んでいます。
おすすめ!
観劇の予定がない日でも、立ち止まって作品ポスターを見てみると、気になる作品に出会えるかも?






開場時間が近づいたら劇場へ!

今回は、ミカン下北沢のすぐ隣、駅ほど近くの3階にある100席弱の小さな劇場、OFF・OFFシアターで観劇しました。
おすすめ!
観劇する日は、A4サイズが入るバッグを持って行くのがおすすめ。客席に置かれた当日パンフレットや今後上演される作品の折込チラシを持ち帰るのもお楽しみに!

観劇後は食事をしながら感想を話すのはいかがでしょう! 今回は、南口商店街をしばらくまっすぐ進んだ先にあるダイニングバー「MOTHER」へ。
おすすめ!
事前に上演時間を確認しておくと、後の予定を立てやすいのでおすすめ。上演時間は大体チラシやHPには記載がなく、SNSで確認できる場合が多いでしょう。(ちなみに今回は、60分間という比較的短い作品でした)

お店のオリジナルカクテルで乾杯!
「演劇ならでは」「下北沢ならでは」の体験を振り返る
─お二人は今まで観劇をしたことはありましたか?
ミノリ:私は結構あります! 観劇フリークほどではないけれど、友人が出演している作品を中心に、下北沢の劇場にも他の街の劇場にも、何度か劇場に足を運んだことがあります。
佐々木:僕もたまに演劇を観に行きます。下北沢だと、スターダストという40席程度の小さなスペースでは出演したこともありました。下北沢の劇場は、どこも歴史を感じられるので好きです。
──今日の観劇体験はいかがでしたか?
ミノリ:シュールなコメディ作品で、おもしろかったです。客席では、絶えず笑い声が聞こえて、舞台だと役者さんたちとお客さんたちが相互に影響を及ぼしあうとよく言われているけれど、今日観た作品では特にそう感じました。
佐々木:言葉にすると「ぬるり、ぬるり」みたいな、擬音を使わざるを得ない(笑)。会話が中心だけど、トントントンと展開するより、そこをまだ掘るか! という。いい意味で裏切りの連続でした。

──お家でテレビを観たり、映画館で観たりするのとの違いはどんなところに感じましたか?
ミノリ:映像だと、たとえば二人が会話しているシーンで話している人が映っているカットでは、聞いている人のことは見えないですよね。でも、演劇だと舞台上のどこを見ても自由だから、あらためて、その自由さがいいなと思いました。あとは、映画館ではある程度リラックスしているし、お家だとさらにリラックスしているけれど、舞台だと観ている側にもよい緊張感があるというか、見届け人みたいな気持ちになれて楽しかったです!
──今回は自由席でしたが、客席のどのあたりで観劇しましたか?
佐々木:前から3列目くらいの、舞台にほど近い席で観ました。間近で役者さんの熱を感じられるのも舞台の醍醐味ですよね。
──下北沢で、デートで、観劇、というのはいかがでしょうか?
佐々木:「ここに来たらたくさんの演劇がやっている」という期待感を持って、わくわくした気持ちで来られる街ってなかなかないと思っていて。検索しても詳細な内容はわからない、けれど、確かにここにあるもの、観たことのないもの、おもしろいものを求めて下北沢に来る、ということ自体がすごく楽しいなと思います。
──検索したらいろいろなことがわかるこの時代に、どんな作品なんだろうと思いながら、今ここでしか観られない演劇を誰かと観てみるのは他にない体験になりそうですよね。
佐々木:今日みたいに、早めに待ち合わせして街を散策してみるのもおすすめですね。街はその時々でどんどん変化しているけれど、劇場の在り方や演劇の楽しみ方は40年以上前から変わらないということが実感できるかもしれないな、と思います。

ミノリ:私は普段、1人で舞台を観に行くので、今日初めて人と一緒に観たんですけど、今日みたいな笑いが起こる作品だったら「あ、この人、ここで笑うんだ」とか泣けるような作品だったら「ここで泣くんだ」とか、そういうことがわかるから、デートで観劇するの、いいなと思いました。
──確かに! 観る作品を一緒に探すところから当日まで、お互いの価値観を垣間見られるポイントがたくさんあるのが観劇デートのよさかもしれません。
ミノリ:チラシを見ていて気づいたんですけど、学生や23歳以下、25歳以下などの割引で1000円~2000円台で観られる作品もあるので、案外気軽に観に行けると思いました。あとは、私も初めて舞台を観に行ったときはどんな雰囲気なのかわからなくて不安だったけど、実際に行ってみると、映画を観に行くのとそんなに変わらないというか。気負わず、でもちょっとおしゃれして行くのもいいんじゃないかな。

──最後に、下北沢で観劇するときにおすすめの楽しみ方やあわせて行きたいスポットを教えてください。
佐々木:僕は下北に来たら絶対に長居しちゃうんですよ。観劇した日なんて特に余韻に浸りたくなると思うから、おいしいご飯やお酒をお供にしたいですね。焼き鳥屋さんとかで、「あのシーンがよかったな」とか「周りの人はあそこで笑ってたな」とか、思い返す時間を作りたいです。一緒に行った人と感想を話すのももちろん楽しいし、一人で観劇して、誰かに話す前に一人で考えるのもいい時間になりそう!
おすすめしたいスポットは中華料理の「新雪園」ですかね。朝までやってるし、メニューが多いから何度行っても飽きないし、広いし。エビマヨが好きです!
ミノリ:観劇した後って、感受性のセンサーというか世界を見る目がまた新しくなっていると思うから、人間観察がより楽しくなりそう。なので、コメダ珈琲店とか、喫茶店で過ごすのもいいんじゃないかと思います。ちょっと周りを見渡して、いつもとひと味違う感覚を楽しみたいなって。
居酒屋だったら、私が好きなのは「ふるさと」。本多劇場のすぐそばで、お座敷の席があるので実家にいるくらいリラックスできて、お料理もおいしいです。あとは、今いるMOTHERと同じ住所、トロワ・シャンブルの下にある「焼鳥 さかえ」はすごく古くからある歴史の長いお店で、下北沢に根付いているんだろうなっていうお客さんがたくさんいるから、街の雰囲気をそのまま味わえるところが好きです。
他には、一番街にある「リトル・ソウル・カフェ」はアナログレコードが聴けるミュージックバーで、音楽劇など観た後にもおすすめです。その近くの「CANDLE CAFE」はお昼から朝5時までやっていて、ギャラリーを兼ねているのでアートも楽しめます。そしてマスターが優しい!
それから、茶沢通りを三茶方面に行くとある、「アルゴンキンズ・バー」っていうレコードバーもおすすめ! 舞台のことを思い出しながら少し歩いて行くのがいいんじゃないかな。


















