写真とはなんだろう?
写真、画像、静止画、光画、スチール、ピクチャー、フォトグラフ。こんなにもたくさんの同義語があるにもかかわらず、おそらく現代で最も広く使われているのは、“真を写す”と書く「写真」だろう。
本連載では、あらゆる撮り手に「色」のみを指定し、写真家の視点やその奥深くに迫っていく。
第3回は、写真家兼アートディレクターのdomuが登場。彼の目に映る「青」に迫る。
domu
カメラとの出会いから12年。19歳でバンコクからシドニーへ渡り、映像制作を学ぶ。現在は東京を拠点に活動している。写真と映像は世界各地へ導き、様々なコミュニティとの繋がりを与え、自己理解を深めるきっかけとなった。
現在は、個人的な探求に時間を割きつつ、ミュージックビデオのディレクションや、ファッション業界での写真撮影を主な仕事としている。
Instagram:@domudomudomudomudomudomudomu






「私は撮影のとき、実は色に気を取られすぎないようにしています。色のことを考えすぎると、視覚的な要素以外の大切な部分を見落としてしまうからです。ブルーは『意識して狙う』よりも、その瞬間に偶然そこにあった、という感覚で写り込んでいます。
また、私は記録用のカメラではあえて色を抑える設定にしています。そうすることで過剰に考え込まずに撮影できるからです。そのぶん、セレクトや後の工程でブルーが印象的に現れることがあります。自然界では『植物や動物にブルーはほとんど存在しない』と言われていて、とても希少な色です。だからこそ、日常の中で見かけると不思議と惹かれてしまいますし、その存在を大切に感じます。
映画を学んだ経験から、ブルーは“感情を操作する色”として使われることを知りました。ポジティブにもネガティブにも作用する、とても複雑な色です。実際、ここ10年ほどは自分が作る映像のトーンを暖色寄りにするか寒色寄りにするか、その選択に悩み続けてきました。正直に言えば、まだ“正解のトーン”を決めきれていません。それだけブルーは奥深く、今もなお私にとって答えを探し続ける色です。」(domu)













