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ウワサの穴あきイヤフォンの意外な実力

ソニー「LinkBuds」はリモートワークにこそ使うべし!!

author: 山下 達也date: 2022/05/29

 
2022年2月に発売されたばかりの完全ワイヤレスイヤフォン新製品「LinkBuds(リンクバッズ)」は、ど真ん中に穴の空いた特異な形状もあって、今話題になっています。この製品が狙ったのは「音楽鑑賞」以外の用途にもイヤフォンの利用シーンを拡大していくこと。ここではそんな「LinkBuds」が拡げる新用途のなかでも、特にBeyond読者に関連が深そうなリモートワークでの使い勝手についてレビューします。

音楽を聴くだけじゃない!? 「LinkBuds」が拡げるイヤフォン利用シーン

今回紹介する、ソニーの完全ワイヤレスイヤフォン「LinkBuds」は、音を鳴らすドライバーユニット中央に穴が空いた前代未聞の構造を採用した製品です。これによって周囲の音を自然に耳に入れつつ、音楽などを楽しめるというのがウリ。昨今の完全ワイヤレスイヤフォンは、ノイズキャンセリング機能などによって周囲の雑音を遮断する方向に進化しているのですが、それとは真逆の価値観を提案しているところがユニークですね。

なお、ソニーにはそんな「LinkBuds」を音楽再生以外のさまざまな用途に使ってほしいという思いもあるようで、特に「音のAR」での利用をアピールしています。具体的にはソニーが提供するサウンドARアプリ「Locatone」や、マイクロソフトの3Dオーディオマップアプリ「Microsoft Soundscape」との連携に対応。

これらのサービスはGPSで取得した現在位置情報に応じてイヤフォンから観光案内や目的地ナビなどの音声を鳴らすというものなのですが、「LinkBuds」なら、周りの音とイヤフォンからの音声が良い感じにミックスされるので、よりARな世界観に没入でき、外音を遮断してしまうことによる危険性も大幅に低減できます。

ちなみに、あの「ポケモンGO」で有名なナイアンティックが提供する位置情報ゲーム「Ingress」との提携も決定しており、年内にはゲーム内の音声を現実空間にマッピングしたかのような体験を「LinkBuds」越しに楽しめるようになるのだとか。

……が、今回、レビューするのはそうした要素ではありません(すみません)。今回は、この「LinkBuds」をリモートワーク、特にオンライン会議で使うとどうなるのかという話をさせてください。

「LinkBuds」なら、仕事中ずっと着けていても大丈夫

これまでにない構造から、さまざまな新しい活用法が生まれている「LinkBuds」ですが、実はリモートワークにもものすごく好適なイヤフォンだったりします。まず、周囲の音がきちんと聞き取れるので、装着中に家族に話しかけられても気がつかないということがありません。音楽を聴きながら作業していてもインターホンや家電のアラームなどもしっかり聞こえます。

また、穴が空いていることもあってか、本体重量が約4.1g(片耳)と圧倒的に軽量。ソニーの完全ワイヤレスヘッドホン最上位機種「WF-1000XM4」は片耳約7.3gなので、なんと約45%も軽量ということになります。耳への負担がものすごく小さくなるため長時間つけっぱなしにしていてもまったく苦になりません。もちろん蒸れとも無縁ですから、これからの季節には本当にありがたいですね。

実際に装着するとこんな感じになります。

軽くて、自然に外の音が耳に入ってくるため、うっかりすると装着していることを忘れてしまうほど快適。ドライバーユニットど真ん中に穴が空いているため、音質的な期待はあまりしていなかったのですが、これもさすがはソニーという、しっかりと音楽鑑賞に堪えるサウンドを奏でてくれます。

似たような使い方ができるものに骨伝導イヤホンがありますが、はっきり言って音質面ではまったくの別次元ですね。骨伝導イヤホンも最近は音質面で健闘しているものが増えてきていますが、まったく勝負にならないと感じました。音質にこだわるなら絶対に「LinkBuds」を選ぶべきでしょう。

なお、小型化で気になるバッテリー駆動時間ですが、「LinkBuds」は一度の充電で最長5.5時間の連続再生が可能。ケースに内蔵されたバッテリーでの充電にも対応しており、合わせて最長17.5時間の連続再生が可能です。また、10分間の充電で90分の再生が可能になるクイック充電にも対応しています。

周りのノイズがピタっと消える「高精度ボイスピックアップテクノロジー」がすごい

そして個人的にイチオシなのが、オンライン会議での利用です。実はこの製品、ヘッドセットとしても非常に優れており、「高精度ボイスピックアップテクノロジー」というソニー独自技術によって、正確に自分の声だけを拾って会話相手に届けてくれます。なんでも5億通り以上のサンプルデータを機械学習にかけて作りあげたアルゴリズムによって、人の声とそうでない周囲の雑音を分離して処理しているのだとか。

論より証拠、ここではその音声がどれくらい違うのか聞き比べて見ましょう。

PC内蔵マイクの音声

これは「うるさい路上の音」「食事中の音」「スーパーの喧噪」のなかで発した声が、相手にどのように聞こえるかを記録したものです(各10秒)。まずはPC内蔵マイクを使った場合の音声を聞いていただきました。

PC内蔵マイクでは周囲の音をそのまま相手に伝えてしまっており、こちらの声がかなり聞こえにくくなっているのが分かりますね(なお私は、かなり声の大きな人間なので、普通の方はもっと聞こえにくくなると思います)。

WF-1000XM4の音声

続いてのサンプルは「WF-1000XM4」のもの。この製品にも「ボイスピックアップテクノロジー」と呼ばれる技術が搭載されており、周囲の音はかなり目立たなくなっているのですが、全体的に音声が加工された不自然なものになってしまっています。声と雑音が奇妙に合成されてしまっているような部分もいくつか見受けられました。

LinkBudsの音声

そしてこちらが「LinkBuds」の音声です。周囲の雑音がほとんど聞こえなくなっていることに加え、私の声が「WF-1000XM4」よりもさらにクッキリと自然に聞こえるようになっています(誓って、これだけ声を大きくしたということはありませんよ!)。

どうでしょう? 「高精度ボイスピックアップテクノロジー」、なかなかやると思いませんか? もちろんキーボードのカチャカチャ音や、エアコンの音などもしっかり消してくれます。また、見た目にも耳孔にすっぽり収まる形状のため、相手側に「ヘッドセットしてるな~」感を与えることがありません。

自宅からのオンライン会議というと、背後で遊ぶ子供たちの声や外を通過するトラックの音、突然鳴るインターホンなどが「あるある」だったりするわけですが、「LinkBuds」を使えば、少なくとも自分の側からはそうした音が相手に聞こえてしまうことがありません。

ぜひ、そういう音に悩まされている人にはお試しいただきたいですね!(個人的には子どもの声なんかはホッコリしちゃうところなんですが……)

これから生活にフィットする完全ワイヤレスヘッドホンの新・選択肢

周りの音をちゃんと聞けるようにするという、これまでになかった発想でかなりの支持を集めている「LinkBuds」。今回はオンライン会議での利用を中心に紹介しましたが、散歩や軽いジョギング、旅行など、周囲の音を完全に遮断したくないシチュエーションで実用的な製品です。

もちろん、冒頭で触れたARゲームのような取り組みも要注目。ノイズキャンセリング機能がないため、通勤電車などでの音楽鑑賞はちょっと厳しいのですが(音漏れもそこそこします)、リモートワーク定着で通勤もしなくなっちゃったし……という人にはイチオシの製品だと断言できます。現時点ではオンリーワンの製品ですので、この記事が刺さった人はぜひお試しください!

SONY┃LinkBuds

価格:23,100 円(ソニーストア)
質量:約4.8g×2
電池持続時間(連続音声再生時間):
最大6時間(NCオン)/最大9時間(NCオフ)
電池持続時間(連続通話時間):
最大3.5時間(NCオン)/最大3.5時間(NCオフ)
電池持続時間(待受時間):
最大8.5時間(NCオン)/最大16時間(NCオフ)
Bluetooth:Ver.5.2
ノイズキャンセリング:対応
外音取り込み機能:あり

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デジタルグッズライター
山下 達也

ジアスワークス有限会社所属。「デジタル」が世の中に浸透し始めた90年代後半から、さまざまな情報誌・オンラインメディアで、PC、カメラ、スマートフォン、AV機器など、幅広いデジタル機器を紹介してきた。近年はサブカルチャーやテクノロジーなどの分野でも活動中。合理性、機能性だけでは説明できない“トキメキ”のあるガジェットをこよなく愛する。
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