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Interview

Beyond世代のリーダーに直撃!

最強にクールな電動バイク「MATE.BIKE」の仕掛け人・福井雄大氏

author: 松井 直之date: 2021/04/27

去る3月26日、東京・恵比寿に世界初となる旗艦店をオープンしたデンマーク発の電動自転車ブランド「MATE.BIKE(メイト バイク)」。その無骨なルックスと折り畳めるという構造は、自転車シーンはもちろん、アウトドア業界からも一目を置かれる存在だ。この春から日本展開を仕掛ける若き代表の福井雄大さんに、その狙いと未来の展望を聞いた。

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「MATE X250」は免許不要で公道走行可能なモデル。シマノ製8段ギアを内蔵し、電動アシストは5段階。33万円。

ヨーロッパのe-BIKEカルチャーを根付かせたい

「MATE.BIKE(以下MATE)」は2016年に自転車王国デンマークのコペンハーゲンで誕生したブランド。2018年に行ったクラウドファンディングでは約19億円という巨額出資を達成し、ヨーロッパを中心に大ブレイク。日本では2021年春から本格上陸を果たし、その旗振りを担うのが福井雄大さん(32)。ブローチャーズというピストバイクの専門店を10年以上に渡って手掛けている、日本のストリート自転車カルチャーを知り尽くした男だ。

「MATEが生まれたコペンハーゲンは、富裕層でも車は乗りません。税金が高いですし、都心部は車の乗り入れが禁止されています。信号は自転車がメインで、次に歩行者、最後に車という序列。とにかく自転車環境が整った国なんです」

そう語る福井さんがMATEと出会ったのは、理想のe-BIKEを求めてヨーロッパを回っていたときのことだそう。見つけた瞬間「これで日本のインフラは変えられる」と直感したのだとか。

「ぼくらは自転車が好きだから毎日ガンガン走るけど、自転車に乗らない人たちが乗りたくなるe-BIKEはないのかと、ずっと探していました。自転車が盛んなヨーロッパを中心に、スイスやドイツをまわって、オランダでMATEに出会ったんです。その場ですぐにオファーしました(笑)」

ブランド初の旗艦店となる店舗は、恵比寿駅を横切る駒沢通り沿い。駅前の交差点という一等地だけあって、アンテナ感度の高い人々が行き交う場所だ。店舗にはカフェスペースも備わっていて、ゆっくりと自転車の説明を受けながら、軽食を楽しむことも可能。「MATE X250」の試乗体験も行っている。

「e-BIKEをアンダーグラウンドな存在では終わらせたくないんです。意識の高い人たちに気づいてもらえるよう、この立地を選びました。狙い通り、若い人から小さな子供がいるファミリーまで、いろいろな方が興味を持って覗いていってくれますね」

ファットタイヤ×サスペンションは、東京に最適

そもそもMATEが生まれた背景には、デンマークの交通事情が大きく影響している。

「デンマークでは、郊外から都心部へ行くのに、まずは家から最寄り駅まで自転車。電車に乗って都心の駅へ行き、そこからもう一台の自転車に乗ってオフィスへ行くというのが普通です。つまり、自転車2台持ちが当たり前でした。それを、1台の自転車でアウトドアもシティもすべて解決できるようにしようと考えたのがMATE。見た目からアウトドア遊び専用と思われがちですが、そうではありません。郊外に住んでいる人たちが悪路でも快適に長時間走れるように開発されているんです」

サスペンションがあってファットタイヤで、折りたたみ式。まさにいいとこ取りのコンセプトが自転車王国の人々に受け入れられたそうだが、福井さんは日本の都市生活者にもぜひ試してほしいと語る。

「東京でも、段差があったり路面が悪かったりする道はたくさんあります。その点MATEなら快適。4時間の充電で最長80km走れるので、毎日の通勤でもバッテリー切れの心配はありません。コロナ禍での運動不足解消だったり、自転車通勤を検討している人にこそ試乗して頂きたいです。乗り心地のよさに驚くはずです」

バッテリーは、本体フレームの中にすっぽり入る構造。取り外して部屋で充電するのはもちろん、屋外にAC電源がある場合は、バッテリーを外さないでも充電ができる。バイクのようなボリュームのタイヤは、サスペンションと相まって凸凹の車道はもちろん、ちょっとした段差なら微動だにしない安定感。雨上がりなどの滑りやすい路面にも強いというのだから、都市生活者にもうってつけというわけだ。

2030年までに日本のe-BIKE人口を増やしたい

とはいえ、冒頭で書いたとおり、日本とヨーロッパでは自転車環境があまりにも違いすぎる。

「日本のe-BIKEの法律というのは、子育て世代が愛用している電動アシストバイクが基準になっています。つまり、子供を乗せることを前提にしているので、制限速度やアシスト基準がヨーロッパに比べて厳しいというのが実情です」

実際、日本の自転車販売台数のうち、e-BIKEが占める割合は全体の10%。そのほとんどがいわゆる電動ママチャリだ。一方、オランダでは2019年度で全体の45%がe-BIKEというくらい、自転車といえばe-BIKEが主流になりつつある。

「2030年にガソリン車廃止のニュースがあって、世の中では自動運転にスポットがあたっています。たしかに、歩道と車道が別れているような広い道であれば自動運転は良いと思いますが、住宅街などは難しいのが現実。そうなると、街の中での移動手段として、日本でも今後e-BIKEが主流になる可能は十分にあります。そのためにも、僕たちはあと9年間でe-BIKE人口を増痩せるだけ増やしていって、自転車の立場を変えていきたいですね」

休みの日に、車に積んでアウトドアフィールドを走り回るもよし、毎日の脚として通勤や通学に活用するもよし。MATEは日本のe-BIKEシーンに一石を投じる存在となるのは想像に難くない。

「小さい子供でも、表参道から原宿まで、自転車で自由に行き来できる日本にしたいですね」と語る福井さん。彼の描く理想の未来への第一歩は始まったばかりだ。

MATE.BIKE TOKYO

photograph:下城英悟

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Beyondディレクター・アウトドアライター
松井 直之

出版社で10年、IT企業で10年の編集職を経て2017年に独立。趣味はキャンプ。現在はアウトドア関連の企画・取材・執筆から、Webメディアのプロデュースやコンサルティング、広告制作まで、編集スキルを軸に幅広く活動中。
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