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ZTE「AXON 30 Ultra」登場!

ついに到達! 「2億画素カメラ」搭載スマホの衝撃!

author: 山根 康宏date: 2021/07/11

ZTEが4月に発表した新型スマホ「AXON 30 Ultra」は、6400万画素のカメラを3つと、800万画素のカメラを1つ、合計4つのカメラを搭載する、モンスター級の“カメラ”スマホだ!

4つのカメラの合計が2億画素のスマホが登場

最近のスマートフォンの性能進化は、チップセットの高速化とカメラの高画質化の2つの方向に向かっている。カメラの進化はカメラの数を3つや4つに増やしたり、1億画素のカメラを搭載するモデルも登場している。一般的な写真撮影ではデジタルカメラを使う必要性はほぼ無くなってしまっただろう。

高性能なカメラを搭載するスマートフォンとしては、ファーウェイの製品に人気があった。しかしアメリカ政府の制裁の影響を受け、2020年以降はグローバル市場で存在感を急激に落としている。カウンターポイントの調査によると、2021年第1四半期(1月から4月)のヨーロッパのスマートフォン出荷量ランキングは、1位サムスン、2位アップル、3位シャオミ、4位がOPPO。ファーウェイは5位で、2019年に世界シェア2位となったその強さは全く見られなくなっている。

このファーウェイの落ち込みをカバーしようと各メーカーはカメラを強化したモデルを次々と出している。その中でも注目は世界シェア上位に揚げたメジャーメーカーではなく、日本でもややマイナーな存在となっているZTEだ。ZTEが4月に発表した「AXON 30 Ultra」は、サムスンやファーウェイ、アップルも到達できなかった「2億画素」のカメラを搭載しているのである。

ZTEのAXON 30 Ultra。カメラ部分はかなり大きい

とはいえ2億画素を開発したカメラセンサーメーカーの話は聞いたことがないだろう。AXON 30 Ultraは、6400万画素のカメラを3つと、800万画素のカメラを1つ、合計4つのカメラを搭載し、その画素数の合計が2億になるのだ。サムスンの「Galaxy S21 Ultra」は1億800万画素カメラを搭載し、単一カメラの画素数としてはZTEを上回っている。しかしGalaxy S21 Ultraが搭載する他の3つのカメラは1000万画素クラス。つまりメインカメラは1億画素超えの超高解像度だが、他の3つのカメラは一般的な画質にとどまっているのである。

これに対してAXON 30 Ultraはメインの広角カメラ、ウルトラワイドカメラ、ポートレートカメラ(35mm)の3つが6400万画素。つまり一般的に写真を撮影するシーンであれば、どのカメラを使っても美しい写真が撮れるのである。晴天の屋外のような光の量が十分ある場所では差はわかりにくいかもしれないが、夜景や証明の少ない室内であれば1000万画素と6400万画素のウルトラワイドカメラの画質は歴然とする。

カメラ部分のアップ。「3x64MP」の表記が誇らしげだ

3つのカメラの中でもポートレートカメラは、人物写真を撮影するのに最適だ。数年前のスマートフォンカメラは、肌を美しく見せる「美顔モード」の搭載がブームだった。しかしここ最近は背景をぼかして顔をひきたてて撮影するポートレートスタイルが主流になっている。AXON 30 Ultraのポートレートカメラはボケ度合いを絞りで調整可能で、F8からF1まで自在なボケ度合いを手動で設定できる。35mmの適度な焦点距離もポートレートに向いている。

ポートレートカメラを長時間露光と組み合わせドラマチックな撮影も可能(ZTEによる作例)

800万画素のカメラは潜望鏡と同じ機構のペリスコープ式カメラで、光学5倍、デジタルでは60倍に対応する。さすがに60倍は画質の粗さや撮影時の手振れが気になるが、ちょっと遠い距離を撮影するのに5倍で撮っても画質は悪くない。人が近づくと逃げてしまう街中の猫の写真を撮るのにも向いていそうだ。一方マクロカメラを搭載してないため近距離撮影が苦手かとも思ったが、食事の撮影も問題なく出来た。

筆者の居住する香港で飲茶を撮影。屋外撮影はもちろん、室内撮影も楽しめる

カメラスペックばかりが目立つAXON 30 Ultraだが、スマートフォンとしてのスペックも非常に高い。チップセットはクアルコムの最上位モデル、Snapdragon 888を搭載。6.67インチのディスプレイは画面の書き換え速度が144Hzと高速だ。一般的なスマートフォンは60Hz程度であり、ゲーミングスマートフォンでも120Hzどまりのものが多いことから、AXON 30 Ultraのディスプレイがかなり高性能であることがわかるだろう。さらに65Wの超高速充電にも対応。充電中はバッテリー残量の増加を小数点以下の数字が急激に上昇していく様を見ることもできる。

スマートフォンとしてもハイスペック。急速充電は見ているだけでも面白い

ZTEはAXON 30 Ultraの姉妹機として、関連会社のNubiaから「Nubia Z30 Pro」も発表している。基本スペックは両者とも変わらず、本体デザインの変更と急速充電が120Wへとパワーアップしている。AXON 30 Ultraは4200mAhのバッテリーを「わずか」45分で満充電できるが、Nubia Z30 Proは衝撃的ともいえる15分で完了できる。朝、目が覚めてバッテリーの充電が空だったとしても、AXON 30 Ultraなら着替えて朝食を取っている間に満充電できるが、Nubia Z30 Proなら顔を洗ってトイレを済ませている間に終わってしまほどだ。

AXON 30 Ultraの姉妹モデル、Nubia Z30 Pro

カメラがすごいだけではなく、スマートフォンとしてもハイスペックであり、さらに一瞬で充電できてしまうほど高速な充電性能を持つ製品を立て続けに出してきたZTE。こんなすごいスマートフォンならファーウェイ製品が買えなくなっても「ファーウェイ・ロス」にはならないだろう。AXON 30 Ultraは中国市場に続き、5月末にはグローバルでも発売になった。日本でもこの「ウルトラカメラモンスタースマホ」をぜひ販売してほしいものだ。

ファーウェイのハイエンドスマホの代替として十分なスペックを持つAXON 30 Ultra
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携帯電話研究家
山根 康宏

香港在住。最新のIT・通信事情を取材するため世界各国の展示会・新製品発表会を1年中追いかけている。日本のメディアに海外事情の執筆記事多数。訪問先では現地取材と称し地元のキャリアや家電店を訪問し必ずスマートフォンを買い求める。最新のハイスペックモデルからジャンクなレトロ端末まで興味の幅は幅広く、時には蚤の市で20年前の携帯電話を買っては喜んでいる。1度買った端末は売却せず収集するコレクターでもあり、集めた携帯電話・スマートフォンの数は1700台を超える。YouTubeでは日本で手に入らないスマートフォンや香港情報を発信している。YouTubeチャンネルは「yamaneyasuhiro」。Twitter ID「hkyamane」、Facebook ID「hkyamane」。
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