節約や時短のニーズが高まる今、冷凍食品は新たな注目を浴びている。そんな冷凍食品を調理家電で手軽に調理する流れに、パナソニックのスチームオーブンレンジ「ビストロ NE-UBS10D」が新たな可能性を提示した。冷凍のままのフライを油や鍋を使わずレンジだけで調理できる唯一のオーブンレンジとして、2025年6月上旬に発売されるこの製品が、日々の料理の概念を変えようとしている。
節約・時短の最前線「冷凍食品」の人気再燃
近年、物価高を背景に節約志向が高まり、冷凍食品の利用が増加している。2024年の調査によれば、日本人1人当たりの冷凍食品消費量は年間23.6kgと10年前に比べ1割以上増加したという。忙しいユース世代でも「手軽さ」「コストパフォーマンス」「買い置き可能」という利便性で支持されている。
しかし、冷凍食品の中でも「揚げる前の冷凍フライ」は、油で揚げるという手間や後片付けの面倒さから敬遠されがちだった。そこに注目し、パナソニックが投入するのが新型ビストロNE-UBS10Dである。
Panasonic
オーブンレンジ Bistro NE-UBS10D
● 発売日：2025年6月上旬予定
● 価格：オープン価格（市場想定価格 税込16万円前後）
● サイズ：約 幅494mm × 奥行435mm × 高さ370mm
● 重量：約19.7kg（本体）
● センサー：高精細64眼スピードセンサー
● 加熱方式：大火力極め焼きヒーター＋コンベクションヒーター＋ヒートグリル皿（マイクロ波）
● 主な機能：「おまかせ熱風フライ」（冷凍未調理フライ対応）、「ワンボウルスープ」（冷凍食材対応）
● 操作性：スマートフォンアプリ連携（キッチンポケットアプリ）
● AIサービス：「Bistroアシスタント」（LINE連携によるレシピ提案）
● その他特徴：油使用量約27％カット（揚げ物調理時）、グリル皿は食器洗い機対応
油を使わず「揚げる」新技術「おまかせ熱風フライ」
揚げ物は好きだが調理頻度が低い理由のトップは「油の処理が面倒」。パナソニックの調査データによると、実際、約9割もの人が揚げ物好きと答えているにも関わらず、自宅で週1回以上揚げ物を作る人はわずか2割未満というデータがある。
NE-UBS10Dは、この揚げ物調理のハードルを劇的に下げるため、「おまかせ熱風フライ」を搭載。レンジ内部の熱の当て方を根本から見直した。大火力ヒーター（上面）、コンベクションヒーター（側面）、そしてマイクロ波を利用したヒートグリル皿（底面）の3方向から食材を素早く均一に加熱。特に難しいとされる冷凍コロッケも、開発段階で約700回の試作を経て、油で揚げたようなサクサクの仕上がりを実現した。
調理方法も非常に簡単で、食材を並べ少量の油を塗り、スマホアプリでスキャンするだけ。これにより油の使用量を約27%カットでき、後片付けもグリル皿を洗うだけという手軽さだ。
コンロキャンセル界隈にフィットする次世代レンジ
一方で、節約や時短とは異なる理由でこのNE-UBS10Dを歓迎する人々がいる。それが「コンロキャンセル界隈」と呼ばれる、火を使わず調理家電のみで料理を完結させるライフスタイルを好む層だ。
「火を使いたくない」「油跳ねや煙が嫌い」「調理器具の片付けを極限まで減らしたい」──こうした理由でコンロを使わない料理を追求する層にとって、NE-UBS10Dの存在はまさに救世主的なポジションだ。実際、レンジで手軽に揚げ物が作れる機能は、この界隈における理想のスタイルを具現化している。
ワンボウルスープでさらに広がる「火を使わない調理」の可能性
また、NE-UBS10Dのもう一つの特筆すべき機能が「ワンボウルスープ」。耐熱ボウル一つで、冷凍の野菜や肉、調味料を投入するだけで汁物まで調理できる機能だ。AIが食材の状態を瞬時に検知し、加熱ムラなく最適な温度調節を行ってくれる。
これにより、「火を使わない献立」の幅がさらに広がり、冷凍庫の中にあるものでスープや煮物を簡単に作れる。時間や労力を最小限に抑えつつ、しっかりとした栄養バランスの料理を日常的に楽しめるようになった。
NE-UBS10Dが創る、調理家電中心の新しいライフスタイル
ビストロNE-UBS10Dは、単に便利な調理家電という枠を超えている。LINEで献立相談ができるAIアシスタントサービス「Bistroアシスタント」など、ユーザーとのコミュニケーションまで進化させ、家電そのものが“調理パートナー”となりつつある。
節約や効率化の視点からだけでなく、ライフスタイルそのものを変革する存在として、NE-UBS10Dは「コンロキャンセル界隈」の人々を中心に、新たな調理の常識を作っていくだろう。日常の料理がこれまで以上に自由で楽しくなる──そんな可能性を秘めた一台が、まもなくあなたのキッチンにやってくる。
