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ウェルネス

こばかなの、無駄話から生まれる“感性”の法則

痩せたいのにラーメンを食べちゃう人は、意思決定の仕組みを見直そう!

author: こばかなdate: 2024/07/24

外からの力が作用しなければ、物体は静止、または等速度運動を続けるという「慣性の法則」をなぞり、「こばかなの無駄話から生まれる“感性”の法則」と題した連載。こばかなさんと無駄話をして、日々の生活で静止しがちな思考を動かし始めよう。

約3年間、長きにわたった連載も今回で最終回。第20回目は、意思決定することについてのお話し。

意思決定の仕組みを言葉にしてみる

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ここ最近、意思決定のなされ方に興味をもって考えていました。意思決定というと、仕事選びやパートナーとの結婚といった大きな決断をイメージされやすい気がします。でも、人生を左右するような重要な選択でなくとも、服を選ぶことや今日何を食べるかなど、私たちは日常生活においても日々たくさんの意思決定を行っていますよね。

それで私は、日常生活における意思決定って、たいていはなんとなく行われているなと思うんです。そしてそのなんとなくの意思決定の正体を掘り下げてみると、“ある選択をした際の期待値に対する評価を、無意識的にしていること”だと言えるんじゃないかと思いました。

おそらく誰もが無意識的に、自分が心地良いと思う状態や、幸福を感じる状態を目指して意思決定を繰り返しているのではないかと思います。なんとなく自分の中に期待値があって、それに到達できそうだと思うから、ある意思決定を行う。

でも人って意思決定においてよく間違えるというか、ベストではない選択をしてしまうことがけっこうあるなと思っていて。例えば、痩せたいと思っているのに、ラーメンがめちゃくちゃ好きだから食べちゃう人っていますよね。これって、ラーメンを食べるという短期的な幸福は得られているけど、自分が自信をもった身体で人生を送るという長期的な幸福は得られていない状態です。

別にそれでもいい、太く短く生きるんだ! ということだったら、意思決定の仕組みについてあれこれ考える必要はないと思います(笑)。でももしそのような状態にモヤモヤを抱えている場合、私だったら期待値を具体的な数字で表して、期待値の評価を意識的にしてみることを考えます。

つまり、ラーメンを毎日食べられる生活は90点だけど、その状態の身体はマイナス5点、などと表してみる。一方で、ラーメンを毎日食べられない生活は10点だけど、痩せた身体で暮らす毎日は80点。とすると、ラーメンを毎日食べる生活=期待値85点の日々よりも、ラーメンを毎日食べない生活=期待値90点の方が(5点の差だけど)良いな、と評価できます。

なんとなくの意思決定は、そもそも見つめ直されるべきなのか問題

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なんとなくの意思決定を、意識的に評価できるレベルに引き上げる。もし人生のある部分にモヤモヤを抱えているなら、意思決定に何らかの問題があると考えてみると良いかもしれない、という話をしました。

でも当然ながら、口で言うのは簡単ですが、実行するのは簡単ではありません。頭では分かっちゃいるけどできないんだよ、と思った人も多いかも。

もうひとつ例を上げると、恋愛とかも分かりやすいですよね。“私っていつもダメ男に引っかかるんだよね”と口にしている女子の話を耳にすることがありますが、たぶんそれって、うがった見方かもしれませんが、実は自分がその状況を必要としている面もあると思っていて。「ダメ男ばかりに引っかかる私だけど、実は女友達とその体験談を語り合って楽しい」みたいなこともあります。そうすると結局のところ、別に現状を問題だと見なす必要がないかもしれないわけです。

家に帰ってきて、スマホを見ながらゴロゴロする時間が長すぎることに悩んでいる場合だって、同じことがいえます。もしかしたらNetflixやスマホを見る時間が、何も考えずに精神を休める時間として必要なのかもしれません。

だから、なんとなくの意思決定を見直す上で、“果たして今の現実を見直したいんだっけ”という問いが最初に必要な気がしています。その結果、本当に現状が問題だと思うのであれば、そこではじめて選択肢をフラットに並べて考えてみる。資格の勉強をすべきなのに毎日スマホを見ちゃうのだとしたら、習慣を変えるための方法は必ずあります。だから、取るべき選択肢を増やすための情報を取りに行けばいい。これはビジネスで一般的にも使われる課題解決思考とも一緒で、ビジネス的思考はプライベートにも援用できるはずです。

体感覚を使うことで、自分の幸せなあり方に気づく

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課題解決思考は、問題を解決する上での武器になります。ただし、その思考法だけですべての問題を解決できるわけではないというところが、また難しい点でもあります。

あくまでこの思考法は目的のための手段のひとつでしかありません。どういうことかというと、課題解決思考は論理的、つまり言語的に行われます。要は言語で捉えられる事象でしか扱えないフォーマットなんです。

でも、言語で捉えられるこの世界の森羅万象は、きっとせいぜい1%くらい。宇宙の歴史に対して人間の歴史は短いし、人間の観念のみが言語化できる対象なので、論理的思考はその中の話しか通用しません。

例えば、快や不快などについては言語として表現するのが難しい。論理的な思考で自分の幸せについて探求できるかというと、まずほぼ無理だといっていいです。自分が一体どうなりたいのか気づくためには、体感覚を使うとか、自分を表現してみるとか、別の角度からアプローチする必要があります。サウナで整っている状態が気持ちいいとか、森の中でリラックスしている状態が幸福だ……みたいなイメージ。ちなみに課題解決思考をまず手放すのは、コーチングのアプローチと同じです。

シンプルに言ってしまうと、ダメ男に引っかかる日々が快なのか不快なのか判断する際はコーチング的方法を取る。そしてそこから課題解決をする場合に、言語的=論理的なアプローチを行う、ということになります。

そういえば私が最近、体感覚で自覚したことは仕事って楽しいなということで。今年のGWってつなげると10連休くらいあったと思うんですが、私実は、GWは毎日朝から晩までシェアラウンジで仕事をしていて(笑)。それがめっちゃ楽しかったんです。

大型連休なのでやっぱりお出かけしたほうがいいかなと思ってたんですが、仕事したい気分なんだよなと思って実践してみると、とっても豊かな時間を過ごすことができて。これって論理的に考えていたらたどり着かない答えです。一般論ではGWは遊ぶべきで、このチャンスを逃すことの損失が大きいという考えですから。

プライベートにおいては、直感を信じることでかなり良い筋の答えを得られます。おそらく論理的に考えたいタイプの人は、論理的に考えることで安心を得やすいはず。でも、論理では説明できない変数を考慮するということが、幸福な状態を目指す上ではとても大事になってきます。

思い込みをなくし、フラットに選択肢を評価すること

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意思決定の話に戻ると、必要な場面ってそもそも「これってどうする?」と決断に迷うような場合に限られると思っていて。なぜなら、期待値が100点満点中で80点くらいの選択は意思決定するまでもなくその選択肢を採れるからです。選択肢Aが49点、選択肢Bが51点といったように、拮抗する選択肢があるから意思決定が必要になる、という構造だと思ういます。

迷っている時点で割とどっちも筋がいい選択肢だともいえます。だから意思決定は、責任が取れる方にするとか、プロセスが楽しい方にするとかっていう決め方もいいと思います。

ただ、ここで注意したいのは、思い込みが激しいとある特定の選択肢を過大評価しがちになる、ということです。選択肢をフラットに評価することって、特に仕事の上ではとても大事で。

例えば社内で揉め事があったとき、私は人を辞めさせる選択肢を過大評価する傾向があります。本当は会社に残ってくれた方が良い人かもしれないのに、その選択肢を採用しがちになってしまう。これには、私自身が言いたいことをなかなか言えないタイプだからということもあります。

でも、もう少しその人と対話した方がいいと言う人がいると、選択肢をフラットに評価することができる。このように、選択肢を公平に洗い出して検討することが、正しい意思決定をする上ではとても大事だな~と思っています。

プライベートでは一つひとつの選択に対していちいち大がかりなことはできません。でも、冒頭の“ラーメンか健康か”で示したように、現状に問題を感じることがあれば、まずは各選択肢から得られる期待値を点数で評価してみると良いと思います。この考え方を使うと、人生はより豊かになるんじゃないでしょうか。

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THE COACH 代表
こばかな

THE COACH 代表。デザイナーとして株式会社DeNAに入社後、株式会社THE GUILD、フリーランスを経て株式会社THE COACHを創業。キャリアとエグゼクティブを中心にコーチングの実績400人以上。国際コーチング連盟認定コーチ(ACC)。開講以来、講師として150名以上のトレーニングを担当。Twitterやnoteでコーチングについて発信しており、SNS合計フォロワー数6万人以上。
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