充電台にゴミを自動収集できるコードレス掃除機が人気を集めている。従来のモデルでは掃除のたびに掃除機本体のダストボックスを手動で空にする必要があったが、充電台に大容量のダストボックスを備え、掃除後にゴミを吸引・収集する仕組みを採用している。これにより、1カ月以上、ゴミ捨ての手間を軽減できる。また、単に手間の問題だけでなく、フィルターの目詰まりを抑え、吸引力の低下を防ぐメリットもある。特に共働き世帯やペットのいる家庭を中心に注目が集まっている。
テストした項目は「フローリング(10点)」「カーペット(10点満点)」「使いやすさ(10点)」「本体のお手入れのしやすさ(10点)」「ダストステーションのお手入れのしやすさ(5点)」独自機能(5点)」の合計50点満点。ゴミは疑似ゴミとして微細な砂、ペットのトイレ砂を用意した。

シャーク「Shark EVOPOWER SYSTEM NEO II+」の特徴

ゴミの量に合わせて吸引力を自動調整する「iQセンサー」とフローリングやカーペットなど床材に合わせてブラシの回転速度を自動調整する「フロアセンサー」を組み合わせた「Smart iQテクノロジー」に、新たに「エッジセンサー」が追加された。「エッジセンサー」は、壁際や部屋の角を検知して吸引力を自動で最大2.5倍アップさせることで、徹底的に取り残しを防ぐ。この3つのセンサーが掃除モードを自動調整して、より効率的にゴミを残さず掃除できるモデルだ。
他社は自動ゴミ収集ドックで紙パックを使うが、同モデルは不要なのでランニングコストがかからない。
Point ①「フローリング」

全体的にはとても優秀で、端まで大小のゴミを取っている。ヘッドが少し重い設計なので、浮かずにピタッと床にはりついて、軽い力でもゴミを取ってくれるのも頼もしい。ただ、よく見ると真ん中あたりには細かい砂がうっすら残っており、さわってみるとざらつきがあった。
Point ②「カーペット」

カーペットもフローリングと同様、真ん中あたりに筋状に砂が残ってしまった。ほかはキレイに取り切れている。
Point ③「使いやすさ」

少々重めでずっしりとした感じはあるが、重心バランスはよく、掃除中にはそれほど重さを感じない。ただ、他社と比較すると方向転換時に重さを感じるので、好みは分かれるかもしれない。ハンディクリーナーとしての使いやすさは抜群。
Point ④「本体のお手入れのしやすさ」

裏側のボタンを押すだけでパカッと開くので、お手入れは簡単。ただ、掃除後に確認してみると、充電台に移したはずの微細なゴミがところどころ挟まって残っていたので、定期的なお手入れは必要。

ヘッドのブラシをお手入れする際は、コイン不要で簡単にブラシを外せる。髪の毛がからみにくい構造で、時間をかけずにお手入れができる。
Point ⑤「ダストステーションのお手入れのしやすさ」

紙パックではないのでランニングコストがかからない点は嬉しいが、捨てるときにゴミが飛び散りやすい。また、中についた微細なゴミも、洗わないとそのままになるのは気になるかも。花粉症などのアレルギーがあると少々つらいので、紙パックパージョンも販売してほしい。
Point ⑥「独自機能」

ボタンひとつでパイプが曲がるFLEX(フレックス)機能を搭載。かがまず立ったまま、家具の下をスムーズにお掃除できる。他社にはないギミックで、ソファやベッド、テーブルや椅子といった脚付き家具の下もラクに掃除できた。
床だけでなく、家中をキレイにしたいのなら選びたい一台
吸引力はパワフルで、特にフローリングは大小のゴミを端まで軽い力で取り切ることができた。ただ、カーペットについては、中心部が残りがちになったのは、少々気になった点だ。
自動ゴミ収集ドックは、紙パックがない唯一のモデル。紙パックの補充などを気にする必要がなく、ランニングコストもかからないが、ゴミが飛び散ったり、触れたりすることもあるので、好みが分かれそうだ。筆者は重い花粉症なので、紙パックが欲しいところ。ぜひ、選べるようになると嬉しい。
付属品が豊富で、どれも使いやすさは抜群だった。ハンディクリーナーとして優秀で、ちょっとした棚、隙間などもどんどんゴミが取れる。ソファやカーテンなどに最適なミニモーターヘッドは特に優秀で、掃除をするとすっきり。付属品は付け外しも含めて使い勝手がイマイチというものも多い中、シャークはきちんと使いやすく作り込まれており、実用性の面で光っていた。
SPEC
使用時間:HIGH 約10分/AUTO 約16~28分/LONG 約35分・約70分
使用時間:約15~50分(iQモード・スティック時)/約50分(エコモード・スティック時)/約15分(ブーストモード・スティック時)
外形寸法:スティック時 221×160×1040mm/自動ゴミ収集ドック 280×250×730mm
質量(約):スティック時 約1.7kg/ステーション(自動ゴミ収集ドック)3.9kg
実勢価格:8万8000円
製品貸与:シャーク
Author:石井和美