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まだプロテイン飲んでるの?

新時代のプロテインバー。長友選手が「かまぼこ」に惚れ込む理由とは?

author: 藤原 奈津子date: 2021/11/10

日本古来の伝統食であるかまぼこ。おせち料理のスタメンくらいの認識の人も多いかもしれないが、その考えは改めるべきだろう。かまぼこは、人の体内では合成できない必須アミノ酸をバランスよく含んだ、身体づくりに理想的な食べ物。消化率が高く体内に吸収されやすいので、アスリートの食事としてもぴったりなのだ。老舗・鈴廣かまぼことプロサッカー選手・長友佑都が挑む、これからのプロテインマーケット(たんぱく質市場)を紐解いていこう。

豊かな食生活の選択肢として、ボディメンテナンスにおけるプロテインマーケットは、今後ますます多様化すると予想される。2021年プロサッカー選手長友佑都さんとタッグを組み「魚肉たんぱく同盟」を立ち上げた鈴廣かまぼこの常務取締役 鈴木智博さんに、ボディメンテナンスフードの未来について話をうかがった。

株式会社鈴廣蒲鉾本店 常務取締役鈴木智博氏。1989年生まれ。鈴廣蒲鉾の長男として育つ。 学生時代はサッカーに打ち込む。大学卒業後、商社へ入社。世界中に魚を買い付けに行き、水産のダイナミズムを学ぶ。2015年にかまぼこの伝統を継ぐ為に鈴廣へ入社。現在はマーケティングを担当し、次世代のかまぼこ市場をつくる事に奮闘中。

かまぼこは命をうつしかえる仕事

誰もが知る鈴廣かまぼこは、慶応元年(1865年)神奈川県小田原にて創業の老舗。その社是は「老舗にあって老舗にあらず」。どんな時代になっても決して変えてはならないことは頑固に守るという決心は、今の時代であってもまっすぐな板の上のかまぼこそのものの姿を感じさせる。

「一本のかまぼこを作るに約7尾のお魚を使います。 そのかけがえのないお魚のいのちを歪めずに、お客様のいのちにつなげていくこと。 それが僕らかまぼこ屋の仕事」と鈴木さん。

機械を導入しても、職人自らの手で魚をおろし、素材の状態を見極める。かまぼこづくりができる国家資格を持った職人を育て、その技を次世代へ引き継いでいくことは、素材としていのちを扱う食品メーカーならでは。デザインセンスの伝承だ。

いつの世も納得の1本を目指す

かまぼこはお魚の身を水で晒し、塩を加えてすり、形を作って蒸し上げたもの。魚肉たんぱく質の組成変性により、あのプリッとした弾力が生まれる。創業当初と変わらずに、天然の魚からすり身をつくり、化学調味料は一切使わず、保存料無添加でかまぼこづくりを貫き通す鈴廣は、いつの時代も職人の腕の見せ所。

近年において鈴廣のかまぼこは、おせち以外のフィールドへ挑戦し、“お土産かまぼこ”への認識チェンジ=リデザインを成し遂げた。そして、この創業150余年の老舗は、壮大なフィールド観の中で、次のパスの渡し先を求めていた。

栄養補給は、バナナよりかまぼこ

「僕、サッカー少年だったんです。母親がウチのかまぼこを差し入れしてくれて、チームメイトみんなで食べてました。美味しいし、試合の後にヘタってても食べやすくって、体の調子がいい! って、評判で。僕らの栄養補給は、バナナよりかまぼこだった。いつかそれが常識になるような気がした」と鈴木さんの予感は大人になるに連れ、高まっていった。

少年サッカーをやっていた頃の鈴木智博さん(下段右から三番目)

すり身状にした魚の消化性の良さ、高たんぱく質・低脂質なかまぼこは、老若男女問わず愛される、まさに日本を代表するボディメンテナンスフード。現代の鈴廣では、伝統的なかまぼこづくりの中で、魚肉たんぱく研究所を立ち上げ、“魚肉たんぱく”の在るべき可能性を研究実証している。

長友佑都×鈴廣かまぼこ「魚肉たんぱく同盟」

2018年のある日、鈴木社長・鈴木常務親子は、テレビでプロサッカー長友選手の「魚を食べて、ボディメンテナンスしている」というインタビューを見て……確信に変わる。現代にふさわしいたんぱく源を目指し、プロテインマーケットでのゲームチェンジャーとして挑戦がはじまった。

“目指すものがある”志が共鳴し、2021年、鈴廣かまぼこと長友佑都による高たんぱく革命「魚肉たんぱく同盟」は発足した。発足時のリリースで、長友選手は次のようにコメントしている。             

「この同盟は、お魚に含まれるたんぱく質の魅力について、一人でも多くの方に伝えたいと思い発足しました。僕は4年前から怪我の防止や日々のコンディショニングを目的として、ファットアダプト食事法を取り入れ、糖質を適正量に管理しながらお魚中心の食生活に取り組んできました。~中略~今回の同盟パートナーである鈴廣かまぼこは、天然素材を極め、化学調味料・保存料未使用で、7匹のお魚を使った高たんぱくなかまぼこをつくられていて、僕は練習後や日々の食事に取り入れるようになりました。今後この活動を通じて、僕と鈴廣かまぼこで「高タンパク改革」を起こしていきたいと思うので、是非魚肉たんぱく同盟にご期待ください!

僕らの時代の食文化デザイン

第一弾商品は、鈴廣の看板商品『小田原っ子』そのままに長友さんパッケージにしたものだ。

「老舗にあって老舗にあらず」。どんな時代になっても決して変えてはならないことは頑固に守るという鈴廣の決心は、中身を変える必要のない自信と、概念を変えていく勇気でできている。『小田原っ子』はまさに、プロテインバーそのものなのだ。

「僕らは、かまぼこの文化を繋いでいきたい。突飛なかまぼこを作って食べてもらうのではなく、まずは、ベーシックスタイルである板かまぼこの可能性を認めてもらう勝負をしたい。150年もの間、鈴廣に関わってきた人達の在り方、現在を生きる社員一同、僕らのかまぼこは板の上にのっている、1本の表現に通じるって思うんです」(鈴木さん)

ついにサプリにも!? これぞ、かまぼこ5.0

ゲームチェンジャー鈴廣が開発したかまぼこ最新型は、なんとサプリ。魚肉ペプチドサプリ『サカナのちからB』の原材料は、かまぼこと同じ魚のすり身。長友選手は、ボディリカバリーのために、トレーニング後に15錠飲んでいるという。

魚肉ペプチド(イソロイシルアルギニン、アルギニルイソロイシンとして)を関与成分とした「疲労感の軽減」に関する表示で、2021年9月29日に消費者庁に機能性表示食品として認められ、日本初の快挙を成し遂げている。

プロテインの自由を勝ち取れ!

明日、何を食べるか?」食文化創造は、チョイスの積み重ねだ。単に美味しいものが選ばれる時代は終わり、今やニーズデザインそのものだ。食は、おそらく一番多様性がある分野に成り得る。

ボディメンテナンスにおけるプロテインマーケットは、魚肉たんぱくの参戦により多様性が進んだ。今や、プロアスリートからスポーツキッズまで、高たんぱく質を求め、かまぼこを一つの選択肢として認識しはじめている。

かつて、おせちで「日の出」だった日本の伝統食かまぼこは、魚肉たんぱく代表として、ゲームチェンジャー足りうる。世界で注目を集める日も、そう遠くはないだろう。

『魚肉たんぱく同盟』
https://www.kamaboko.com/fishprotein2022/

取材協力:鈴廣かまぼこ

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栄養士/クリエイティブディレクター
藤原 奈津子

秋田県出身。6種のクリエイティブ職種で第一線活躍し続ける新型フリーランス“ダヴィンチworker”として注⽬される。“ものづくり”の先をデザインする独自の「アプローチデザイン思考法」を軸に、クリエイティブディレクター/コピーライターとして、雑誌広告などで広告賞も受賞。料理研究家として、雑誌、広告、CM、TV、レシピ開発など実績多数。PR広報/ブランディングプランナーとして「もち麦」のブーム構築など、担当ブランドは続々ヒット。しかも、キッチンツール萌えと独自解釈が高じ、おもしろ過ぎるキッチンツールマイスターとして通販番組に出演し完売を連発中。
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