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こばかなの、無駄話から生まれる“感性”の法則

サウナと瞑想。理性を働かせない身体的な感覚

author: こばかなdate: 2021/12/09

さまざまな事象を分かりやすい図解で表現し、Twitterやnoteでの発信で支持を集めるこばかなさん。多摩美術大学を卒業後、デザイナーとして歩み始めたのち、コーチング会社THE COACHの代表を務める。SNSなどで発信する内容は理路整然としているこばかなさんだが、普段どんなことを考えているのか。そして普段の発信から削ぎ落とされている“無駄”な部分にこそ、感性を刺激する大事なモノが宿っているはず! 外からの力が作用しなければ、物体は静止、または当速度運動を続けるという「慣性の法則」をなぞり、「こばかなの無駄話から生まれる“感性”の法則」と題した連載。こばかなさんと無駄話をして、日々の生活で静止しがちな思考を動かし始めよう。第2回目は、サウナや瞑想を通して考える“身体的な感覚”のお話し。
 

理性と身体的な感覚

わたしはサウナや瞑想が好きなんですが、そこには「身体的な感覚」が関わってきます。例えば、自分の気持ちを相手に伝えるときに、言語化しようとすると必ず理性が働いてうまく表現できないことってありませんか? 言葉にしたときに本質が抜け落ちてしまうような感覚です。そもそも“自分自身がどういう状態なのか”すら気づけないことのほうが多いなと感じます。

一方、私の場合は心臓の感覚で自分の調子を測って感じていることを話すというのを実践しています。呼吸が浅くなっているとか、心臓が若干重たい感じがするという身体の反応を知ろうとするほうが、自分を見失わずにいられると実感し始めました。身体的な感覚で話すときは、より自分自身の深層意識に近づける気がするんです。サウナでいう「ととのう」にわりと近いメンタル状態なんじゃないかなって。

本音の私を探り、受け入れること

「身体的な感覚」に興味を持ったきっかけは、コーチングの学習をする中で学んだゲシュタルト療法でした。カウンセリングやセラピー領域のひとつで、自分の身体の声や感情に耳を傾けて気づきを喚起していく技法。例えば、転職しようか迷っている人に対して、「いま何を感じてる?」と問いかけます。その回答として「面倒くさい」「いやだ」とった感情ベースでの会話が主で、理性を働かせない会話ができるんですよね。雰囲気でコミュニケーションするっていうか。カウンセラーセラピーは、具体的なアドバイスを与えるのではなく、あくまで自分を更に多く深くを知るためのきっかけの援助っていうスタンスなんです。

私自身も映画を見終わった後の感想がうまく言えなかったりと、言語には限界があると感じていたこともありました。だから、ゲシュタルト療法を受けたときにすんなり受け入れられて、言語では表現できないことって沢山あるし、あっていいんだなと思えるようになりました。最近は理性で考えるより、身体の反応の方が素直な自分という感じがします。

サウナも、コーチングも、自炊も「今ここ」!

ゲシュタルト療法もサウナもコーチングも全部そうなんですけど、「今ここに集中する」っていうのが共通であるんですよね。未来や過去ではなく、いま感じている気持ちや感覚を捉えること。これも身体的な感覚と繋がっていくなと思っています。身体的な感覚っていうのも、前秒刻みで変わっていくものではあるので、今どんな感じって聞き続けられるだけでも「今はさっきより心臓の感覚が楽になってきた」とかそういうのも喋り続けるだけでも大きい気付きがあったりするっていう。食と身体的な感覚って結構ダイレクトに繋がってると思うんですけど、そういう意味で自炊にも瞑想的な何かを感じますね。

自炊をすると、醤油をこれくらい入れたけどどういう結果になるんだろうって気になるから、味に集中するんですよね。しかしコンビニで買ったご飯だと、スマホを見ながら食べちゃうときもある。そういう違いがあるから、ちゃんと自分のご飯に集中するという感じがします。まさに「今ここ」ですね。サウナ、コーチング、瞑想、もしかしたら自炊も、身体的感覚を高められる。メンタルケアとして、積極的に取り入れるのもいい方法だと思います。

自分をいたわるリトリート施設たち


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少し小難しい話をしてしまいましたが、ここからは“無駄話”っぽくいくつかリトリート系のオススメ施設を紹介します。まず、サウナなら「らかんの湯」(佐賀県)ですね。ここを超えるサウナがあるのか、ってくらい感動しました。次に、瞑想でよかったのは「Medicha(メディーチャ)」(東京都・青山)」という施設。らかんの湯とメディーチャはどちらの施設も、まるで異空間に飛ばされた感じになるので、頭の中にある忙しい雑念とかザワザワする感情が何もなくなる感覚がありました。あと、「湯河原惣湯」(神奈川県・湯河原町)というリトリートをテーマにした施設では、大自然に囲まれた中で温泉やサウナも満喫できて、ご飯も今年食べた中で一番美味しかったのでオススメです。

いずれも身体的感覚を高めたり味わったりするのを体験するには、ぴったりなスポットでした。こういう自分に優しいことをする時間って、とっても大事なんじゃないかな。「メンタルヘルスケア」「セルフラブ」なんて叫ばれるご時勢ですが、普段から身体の感覚に目を向けることをいろんな人に大事にしてほしいなと思います。

text:雨谷里奈

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THE COACH 代表
こばかな

THE COACH 代表。デザイナーとして株式会社DeNAに入社後、株式会社THE GUILD、フリーランスを経て株式会社THE COACHを創業。キャリアとエグゼクティブを中心にコーチングの実績400人以上。国際コーチング連盟認定コーチ(ACC)。開講以来、講師として150名以上のトレーニングを担当。Twitterやnoteでコーチングについて発信しており、SNS合計フォロワー数6万人以上。
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