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「子宮頸がん」のこと、どれくらい知ってる?

道木マヤと一緒に知ろう、考えよう、子宮頸がんのこと

author: 白鳥菜都date: 2024/02/09

ユースにとって、実は身近な病気のひとつ「子宮頸がん」。国内だけで年間約1万人が罹患する病気にも関わらず、実はあまり詳しく知らないという人も多いのでは。
 

それもそのはず、日本は子宮頸がんの予防や検査が他国と比べると遅れているといわれているのだ。例えば、アメリカや英国、フランス、ドイツなどでは子宮頸がんの検査受診率が70%を超えているのに比べ、日本ではわずか43.7%に止まっている(※1)。さらに英国の国民保健サービス(NHS)イングランドは、2040年までに子宮頸がんの撲滅を目指すことも発表しており、立ち遅れる日本を横目に海外では子宮頸がんへの対策が着々と進んでいるのだ。
 
そこで、モデルの道木マヤさんと子宮頸がんについてお勉強。普段から食事や健康に気を遣っているという道木さんだが、子宮頸がんについてはこれまであまり深く知らなかったとのこと。子宮頸がんの罹患率が高い世代の1人として、一緒に子宮頸がんについて学んでいきます。

道木マヤ

ニュージーランド人の父と日本人の母のもとに生まれる。 2014年、モデルとしての活動を開始。 雑誌やカタログでモデルをする傍ら、写真、グラフィックデザインなど、多岐にわたってアーティスト活動も行っている。 10代の頃に独学で写真術を学び、2020年よりフォトグラファーとしての活動を始める。 ファッションや旅をテーマに作品を発表している。

Instagram:@mayamichi
WEB:https://www.velbed.jp/maya-michiki

取材協力:シミックグループ

子宮頸がんのこと、どれくらい知ってる?

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今この記事を読んでいる皆さんが子宮頸がんについて知っていることといえば、何があるだろうか? 道木さんに同じ質問を投げかけてみると、次のような答えが返ってきた。

「自分から子宮頸がんについて学んだことはなくて、正直ほとんど知らないかも。強いていえば、人からうつるものということと、腫瘍ができるということくらいです」

そんな道木さんだが、あることをきっかけに子宮頸がんが一気に身近な存在だと感じるようになったという。

「実はここ1年くらいの間に、友人から子宮頸がんの話を聞くことが増えたんです。検査を受けたら引っかかってしまって怖かったとか、腫瘍ができてしまったとか……。これまで『がん』は若い人は稀にしか発症しないと思っていたし、あまり危機感がなかったのですが、それをきっかけに、だんだんと身近に感じるようになってきました」

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30代を迎えた道木さん。10代後半から20代前半を振り返ると、友人間でこのような話題が出ることもなければ、身体に関する話題は少しタブーな雰囲気すらあったという。しかし、年齢を重ねるにつれ、子宮頸がんをはじめとする身体の悩みや相談事は友達同士で共有する場面が増えた。

「10代〜20代前半の頃は、子宮頸がんをはじめとする健康に関することは、自分には関係ないと思っていたからか全然耳にも入ってこなかったです。恥ずかしいという気持ちもあったのか、周りの人と話すこともありませんでした。でも、歳を重ねるにつれて身体が変化していくのを感じて『自分の身体に起こっていることは普通なのかな? それとも、もしかして異常?』と、気になるようになりました。自分を安心させるためにも、周りの友人と生理のことや子宮頸がんのことなど、身体の話をする機会がどんどん増えていますね」

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とはいえ、まだ子宮頸がんの検診を受けたことがないという道木さん。検診や予防にあたって知りたいことを尋ねてみると、次のような答えが返ってきた。

「私はまだ検診を受けたことがないのですが、ここ1年くらいの間で『私も検診行かなきゃ』と思うようになりました。でも、まだ実行には至っていません。その理由は多分、検査へのイメージがぼんやりしているからかなと思います。検査をして、もし異常があったらどうなるのか? どのくらいのスピードで進行するのか? どうなってしまうと危険なのか? など、具体的な情報や実際の患者さんの声をもっと知ることができたら、より危機感を持って検診を受けにいく人が増えるような気がします」

子宮頸がんってどんな病気?

そんな道木さんの疑問に答えるべく、具体的に「子宮頸がん」とは何なのかについて紹介したい。

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子宮頸がんは、子宮の入り口(子宮頸部)にできるがんのことを指す。その原因の多くはヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papilloma Virus)の感染によるものだとされている。道木さんが「人からうつる病気」と言う通り、ヒトパピローマウイルスは主に性交渉によって感染する。

ヒトパピローマウイルスは、感染しただけでは自覚症状などが見られず、通常は免疫機能によって排除される。しかし、約10%の人(※2)は子宮頸部にヒトパピローマウイルスが感染したあと、持続感染によって細胞の異形成が進む。そして、異形成の状態を放置してしまうと正常な免疫状態の女性の場合は15年から20年ほどで、免疫力が低下した女性は5年から10年たらずで子宮頸がんの発症(がん化)へとつながる(※3)。

※2 参照:子宮頸がんリスクチェック パピア 「子宮頸がんとは」
※3 参照:厚生労働省検疫所 「ヒトパピローマウイルス(HPV)と子宮頸がんワクチン (ファクトシート)」

 

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がんは進行度合いによって、​​Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期のステージに分けられる。がんの大きさや粘膜内にがんがどれくらい深く入っているかリンパ節や肺への転移があるかどうかなどを基準に分類される。

このステージや、患者の年齢、合併症の有無などに応じて、手術、放射線治療、化学療法などの治療方法がとられる。

 

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子宮頸がんは、国内だけで年間約1万人が罹患し、約3000人が死亡する病気だ。特に2000年代以降は、20代から30代の若い女性の罹患数が上昇している。これは性交渉の低年齢化やヒトパピローマウイルスへの持続感染の増加によるものではないかと考えられている(※2)。

最新の年齢別の罹患率をみても、子宮頸がんは20代から罹患し、30代で大幅に増加していることがわかる。

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年齢階級別罹患率【子宮頸部 2019年】
参照:がん情報サービス 「罹患(新たに診断されること)」

子宮頸がんに早く気づくには?

子宮頸がんは初期症状として、生理のとき以外の出血や性行為による出血、おりものの増加などが見られることがあるが、目立った初期症状がないことが多い(※4)。しかし、子宮頸がんは早期発見によって治療がしやすい病気でもある。検診でがんを早期に発見して治療することにより、子宮頸がんで亡くなることを防ぐことができるのに加え、検診で前がん病変(がんになる前の状態)を発見することにより、子宮頸がんの罹患を防ぐこともできるのだ。早期に発見できることで、妊娠の可能性を残すために子宮を温存できることもある(※5)。子宮頸がんの検診は大きく分けて、以下のようなステップで進む。


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日本では、最初の検診として問診・視診に加えて細胞診が推奨されている。子宮頸部から細胞を採取し、顕微鏡で観察する検査のことを指す。痛みもほぼなく、10分程度で完了する検査だ。

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細胞診で異常が見つかった場合、精密検査を受ける。拡大鏡を用いて子宮頸部を観察し、病変が疑われる部分の組織を採取して検査する。

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精密検査の結果、高度異形成やがんと診断された場合は、さらに詳しい検査や治療をする場合が多い。また、軽度〜中度の異形成の場合も、さらなる進行を防ぐために定期的な精密検査が必要となる。

参照:子宮頸がんリスクチェック パピア 「子宮頸がん検診」


これらの検査は自治体が実施するがん検診や職場の健康診断、あるいは個人で婦人科、産婦人科、レディースクリニックなどの医療機関にかかることで受診できる。自治体では数百円から1000円程度で受診できることもあるが、それ以外の場合は4000円から1万円程度かかることもある。

前述の通り、子宮頸がんは発症のタイミングがわかりにくい病気であるため、細胞診の段階で異常なしだった場合も、2年に1回程度(※6)は検診を受けるのがおすすめだ。

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自宅で簡単に子宮頸がんのリスクを検査できる「パピア」

「パピア」5500円(運営:シミックソリューションズ)

子宮頸がんのリスクや検診の方法はわかっても、いざ検査するとなると怖い、面倒臭いなんて人もいるのではないだろうか。そんな人におすすめしたいのが、自宅で子宮頸がんのリスクを検査できるキット「パピア」だ。パピアは、子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルスの感染の有無を検査し、発症リスクを知ることができる。

「パピア」は、シミックソリューションズのウェブサイトから申し込むだけで検査セットが自宅に届く。棒状のスポンジで膣内の細胞を採取し送付すると、2週間〜4週間程度で検査結果が送付される。人から見られることもなく、自宅で簡単に検査できるのが魅力だ。実際にパピアを手にとった道木さんからはこんな声が。

「これなら抵抗なく使えそう」

「こんなに簡単に検査できるんですね。パッと見、タンポンみたいでこれだったら私も自分で使えそうだと思えました。むしろ、タンポンよりもスリムだからもっと簡単かも。色もすみれ色でかわいいですね」

実際に「パピア」を使用して検査を受けた人からは「簡単だった」「恥ずかしくなかった」といった声が数多く上がっているという。手軽にできる検査なので、病院へ行く時間がない方や、自宅の方が安心できるという方におすすめだ。もし検査結果が陽性だった場合は、早いうちに病院で検査を受けるようにしてほしい。

スポイトを試験管に入れた後、先端のスポンジ部分を出してスポイトを10回程度上下させ、スポンジに付着した細胞をしっかりあらい落とす

自分の身体のことだから、まずは知ってほしい

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子宮頸がんの話題も含め、身体のことや自分の悩みなどをオープンに周りの友人と話すという道木さん。朗らかに、でも芯のある語りをする彼女と話していると、心身ともにヘルシーな気持ちになる。そんな道木さんが、普段から大切にしていることを教えてくれた。

「私は、人からどう思われるか、どう見られるかよりも『自分らしくいること』を大切にしています。私はずっと日本で生活しているのですが、学生時代は話についていくために、周りに合わせようとしたこともありました。でも、どうしてもうまく型にハマれない自分がいるのを感じていて……。模索していくうちに『誰かの真似をしなくても、ただここに自分はいるんだ』と思えるようになって、今のように本当に自分が好きなものを大切にできるようになりました」

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自分が好きなものや自分に合ったものを大切にするためには、普段から自分自身をよく観察することが重要だ。そして、自分自身と向き合うことは心身の健康にもつながるのではないかと、道木さんは語る。

「例えば『脱水症のとき経口補水液がおいしいと感じる』みたいに、そのとき食べたいもので体が必要としているものってわかると思うんですよ。小さなことだけれど自分で自分を観察すると、だんだん何をしたら自分が健康でいられるかがわかるようになると思います。そのおかげか、私は普段ほとんど病院に行かずに、ビタミンを摂ったり食事を変えたりすることで体を整えられています。でも、子宮頸がんのように検査しないとわからない病気もあると思うので、自分自身を観察することと病院などの医療機関を頼ることはバランスよくやっていきたいですね。私も子宮頸がんの検査、受けてみようと思いました」

生きている間にはさまざまな病気のリスクがある。子宮頸がんをはじめとし、ユース世代にとっても無関係ではない病もたくさんある。知識を身につけ、適切な検査や予防策を取ることで防げる課題もたくさんあるため、まずは知るところから始めてみよう。

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Fluffy Knit Zip-Up Vest 3万3000円、Cotton Knit Sweater2万8600円、Fluffy Knit Skirt4万4000円(ともに JöICEADDED)、その他モデル私物

取材協力、製品提供:シミックグループ
Styling:道木マヤ
Text:白鳥菜都
Photo:近藤沙菜
Edit:那須凪瑳

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ライター・編集者
白鳥菜都

ライター・編集者。1999年生まれ。学生時代からライターとして活動を開始。会社員をする傍ら、フリーランスでもライター・編集者として活動を継続。好きな食べ物はみかん・エビ・辛いもの。
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