思い立ったときに気軽に掃除ができる、コードレススティッククリーナー。最近はエントリーモデルも続々登場し、価格的に安いものが増えてきている。今回レビューした6製品は、有名メーカーの高機能モデルで、価格も高いと感じる方もいるかもしれない。しかし、毎日のように使うクリーナーは、重さや使い勝手、お手入れのしやすさも含め、よく調べてから購入してほしい。
数年前のクリーナーは重さと吸引力が比例していたが、ここ数年は軽くても吸引力が高いモデルが増えている。今回試した6モデルは本体が軽く、微細なゴミから大き目のゴミまでしっかり吸い込んでくれる。さらに、狭い場所なども掃除しやすく、隅々まで掃除しやすい製品を選んでいるので、ストレスなく掃除ができるものばかりだ。
お手入れのしやすさもチェックしてほしい。吸引力が高くても、安いモデルはお手入れがしにくいものが多い。高級モデルは、サッとゴミを捨てることができ、細かいところもお手入れも簡単だ。クリーナーはお手入れを怠るとフィルターが目詰まりし、吸引力が落ちたり、ニオイの原因にもなるので、吸引力以外のところも、ぜひチェックしてほしい。
第1位 Shark「EVOPOWER SYSTEM NEO+」
軽量のスティッククリーナーは、通常、ヘッドが軽いものが多いが、これは比較的重い。そのため、持ってみると重く感じるかもしれないが、実際に床に置いて掃除機をかけてみると、床にフィットして安定感がある。ヘッドの自重でカーペットなどにも隙間なくブラシが引っかかるので、余計な力を入れなくてすみ、軽いかけ心地だった。
吸引力も優秀だったが、パイプを途中で曲げることができたり、自動ゴミ収集ドックが付属していたり、ユニークで実用的な機能も豊富だ。さらに、もともとはハンディクリーナーから始まったクリーナーだけあって、ハンディにしても使いやすい。押すだけでハンディクリーナーに変身し、棚などの掃除も素早く掃除することができた。すべての評価において大きな不満がなく、評価は高い結果となり、今回のベスト製品となった。
第2位:日立グローバルライフソリューションズ「PV-BH900SL」
コンパクトで標準質量が約1.6kgと軽量であり、重心バランスもよく、持ったときに「軽い」と感じるスティッククリーナーである。ヘッドも小さめなので、家具などが多い日本の家屋にも合っているクリーナーだ。
軽くても吸引力は高く、ヘッドにはLEDライトもついている。軽量だからといって、機能を落とさない姿勢と技術力も評価したい。
ゴミの捨てやすさについては、ダストカップ内が優秀。髪の毛やゴミがからみにくい構造で、ゴミを捨てた後も、中に残ってしまった髪の毛を引っ張り出す、といったことがほぼなかった。
ただし、プリーツフィルターについてはあまり工夫がなく、ゴミが溜まりやすい構造だ。ここは、キレイにしないと吸引力にも影響するので、もう少し改善をしてほしいところ。同社の技術力を活かし、ゴミを収集する充電ドックの登場も期待したい。
第3位:Dyson「Dyson V12 Detect Slim Absolute」
Dysonをテストし、実感したのは「さすがの吸引力」ということ。吸引力は、フローリングもカーペットも優れており、優れた成績となった。ヘッドを往復しなくても、片道だけでフローリングの溝に入り込んだ微細なゴミまで取りきることができる。ヘッド幅は日本製のクリーナーと比較すると大きめで、床の広い部分を短時間で掃除できるので、短時間で部屋の掃除をしたい方に向いている。日本製のクリーナーと比較すると大きく、少々重い印象もあったが、しっかりとゴミを取りたい方におすすめできるクリーナーだ。
付属品の毛絡み防止スクリューツールもとても使いやすい。布団などのホコリもごっそり取れる。メインのクリーナーとして、部屋中さまざまな場所で活用できる心強い掃除機である。
HEPAフィルターを採用しており、汚れた空気を外に出さないので、安心して使える点もおすすめポイント。排気のニオイが気にならず、気持ちよく使える。
片手で持ちながら、もう片方の手でON/OFFが必要となるボタン式スイッチが使い勝手の点で気になった。
第3位:シャープ「EC-SR9」
今回、試した中で運転音が最も小さかったクリーナーで、夜間でも問題なく使えそうだ。静かなクリーナーをお探しの方は、ぜひ実機で音をチェックしてほしい。
音が小さいと吸引力が弱そうに感じるのだが、しっかりゴミも吸引している。数年前のモデルは吸引力はいまひとつだったが、シャープのクリーナーはここ数年で吸引力が大幅にアップしている。特にフローリングは他社と比較しても優秀な成績だった。
コンパクトなので、背が低い方にとって使いやすいクリーナーだ。逆に、背が高い方にとっては小さすぎると感じるかもしれない。ヘッドが小さいこともあって狭い場所も掃除しやすいが、掃除中にヘッドが浮いてしまうところは改善してほしい。
バッテリーは外してから充電するタイプなので、コンセントのそばにクリーナーを置きたくない方におすすめだ。
第5位:東芝ライフスタイル「VC-CLX72」
6気筒のパワフルなサイクロン式で、ゴミと空気を分離している。そのため、お手入れが面倒なプリーツフィルターがない。フィルター方式はお手入れを怠ると吸引力が落ちるが、吸引力が持続するので、長年使っていてもストレスを感じないクリーナーである。
吸引力テストでは、フローリング、カーペット共にゴミの取り残しが少ない。もう少し、キワまで掃除してくれると嬉しい。
一番気になったのは、単なる収納スタンドで充電スタンドではなかったこと。電源コードの抜き差しが少々面倒だ。次回からは、置くだけで充電できるようにしてほしい。掃除力は高いだけに、この点は改良して欲しい。
第5位 パナソニック「MC-NS100K」
ゴミをクリーンドックが付属している。ゴミ捨ては約50日に1度で済み、紙パック式なのでゴミの舞い散りがない。掃除のたびにゴミを捨てる必要がなく、クリーンドックに溜めたゴミを捨てる際も紙パックごと捨てるだけ。Sharkとは異なり、クリーンドックが紙パック式という点に注目してほしい。ハウスダストなどのアレルギーの方はぜひチェックしてほしいクリーナーだ。
他社はすべていったん方向を180度回し、手前が正面になるようにセットする必要があるが、そのままの方向でクリーンドックに置けるのも便利だ。
今回、他社と比較すると吸引力については物足りなさを感じた。ただ、クリーンドックを採用したセパレート型コードレススティックの中では最上位モデルではない。2024年3月にはMC-NX700Kが発売されるので、そちらに期待したい。
最新モデル6製品を試してみた率直な感想としては、吸引力がアップしていること。数年前までの軽いコードレススティッククリーナーは吸引力がいまひとつだったが、どれもパワフルで、日常的に使うには全く問題ない。付属品も使いやすくなり、ゴミを充電台に溜めておけるクリーンドックなども登場し、進化している。お手入れや使い勝手などを比較して、自分に合った一台を選んでほしい。