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石井和美の家電やりすぎ比較レビュー<コードレススティッククリーナー>

【総論】小型で軽くても吸引力はパワーアップ! ゴミを収集できる充電台にも注目したい

author: 石井和美date: 2024/02/28

思い立ったときに気軽に掃除ができる、コードレススティッククリーナー。最近はエントリーモデルも続々登場し、価格的に安いものが増えてきている。今回レビューした6製品は、有名メーカーの高機能モデルで、価格も高いと感じる方もいるかもしれない。しかし、毎日のように使うクリーナーは、重さや使い勝手、お手入れのしやすさも含め、よく調べてから購入してほしい。

数年前のクリーナーは重さと吸引力が比例していたが、ここ数年は軽くても吸引力が高いモデルが増えている。今回試した6モデルは本体が軽く、微細なゴミから大き目のゴミまでしっかり吸い込んでくれる。さらに、狭い場所なども掃除しやすく、隅々まで掃除しやすい製品を選んでいるので、ストレスなく掃除ができるものばかりだ。

お手入れのしやすさもチェックしてほしい。吸引力が高くても、安いモデルはお手入れがしにくいものが多い。高級モデルは、サッとゴミを捨てることができ、細かいところもお手入れも簡単だ。クリーナーはお手入れを怠るとフィルターが目詰まりし、吸引力が落ちたり、ニオイの原因にもなるので、吸引力以外のところも、ぜひチェックしてほしい。

第1位 Shark「EVOPOWER SYSTEM NEO+」

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軽量のスティッククリーナーは、通常、ヘッドが軽いものが多いが、これは比較的重い。そのため、持ってみると重く感じるかもしれないが、実際に床に置いて掃除機をかけてみると、床にフィットして安定感がある。ヘッドの自重でカーペットなどにも隙間なくブラシが引っかかるので、余計な力を入れなくてすみ、軽いかけ心地だった。

吸引力も優秀だったが、パイプを途中で曲げることができたり、自動ゴミ収集ドックが付属していたり、ユニークで実用的な機能も豊富だ。さらに、もともとはハンディクリーナーから始まったクリーナーだけあって、ハンディにしても使いやすい。押すだけでハンディクリーナーに変身し、棚などの掃除も素早く掃除することができた。すべての評価において大きな不満がなく、評価は高い結果となり、今回のベスト製品となった。

第2位:日立グローバルライフソリューションズ「PV-BH900SL」

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コンパクトで標準質量が約1.6kgと軽量であり、重心バランスもよく、持ったときに「軽い」と感じるスティッククリーナーである。ヘッドも小さめなので、家具などが多い日本の家屋にも合っているクリーナーだ。

軽くても吸引力は高く、ヘッドにはLEDライトもついている。軽量だからといって、機能を落とさない姿勢と技術力も評価したい。

ゴミの捨てやすさについては、ダストカップ内が優秀。髪の毛やゴミがからみにくい構造で、ゴミを捨てた後も、中に残ってしまった髪の毛を引っ張り出す、といったことがほぼなかった。

ただし、プリーツフィルターについてはあまり工夫がなく、ゴミが溜まりやすい構造だ。ここは、キレイにしないと吸引力にも影響するので、もう少し改善をしてほしいところ。同社の技術力を活かし、ゴミを収集する充電ドックの登場も期待したい。

第3位:Dyson「Dyson V12 Detect Slim Absolute」

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Dysonをテストし、実感したのは「さすがの吸引力」ということ。吸引力は、フローリングもカーペットも優れており、優れた成績となった。ヘッドを往復しなくても、片道だけでフローリングの溝に入り込んだ微細なゴミまで取りきることができる。ヘッド幅は日本製のクリーナーと比較すると大きめで、床の広い部分を短時間で掃除できるので、短時間で部屋の掃除をしたい方に向いている。日本製のクリーナーと比較すると大きく、少々重い印象もあったが、しっかりとゴミを取りたい方におすすめできるクリーナーだ。

付属品の毛絡み防止スクリューツールもとても使いやすい。布団などのホコリもごっそり取れる。メインのクリーナーとして、部屋中さまざまな場所で活用できる心強い掃除機である。

HEPAフィルターを採用しており、汚れた空気を外に出さないので、安心して使える点もおすすめポイント。排気のニオイが気にならず、気持ちよく使える。

片手で持ちながら、もう片方の手でON/OFFが必要となるボタン式スイッチが使い勝手の点で気になった。

第3位:シャープ「EC-SR9」

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今回、試した中で運転音が最も小さかったクリーナーで、夜間でも問題なく使えそうだ。静かなクリーナーをお探しの方は、ぜひ実機で音をチェックしてほしい。

音が小さいと吸引力が弱そうに感じるのだが、しっかりゴミも吸引している。数年前のモデルは吸引力はいまひとつだったが、シャープのクリーナーはここ数年で吸引力が大幅にアップしている。特にフローリングは他社と比較しても優秀な成績だった。

コンパクトなので、背が低い方にとって使いやすいクリーナーだ。逆に、背が高い方にとっては小さすぎると感じるかもしれない。ヘッドが小さいこともあって狭い場所も掃除しやすいが、掃除中にヘッドが浮いてしまうところは改善してほしい。

バッテリーは外してから充電するタイプなので、コンセントのそばにクリーナーを置きたくない方におすすめだ。

第5位:東芝ライフスタイル「VC-CLX72」

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6気筒のパワフルなサイクロン式で、ゴミと空気を分離している。そのため、お手入れが面倒なプリーツフィルターがない。フィルター方式はお手入れを怠ると吸引力が落ちるが、吸引力が持続するので、長年使っていてもストレスを感じないクリーナーである。

吸引力テストでは、フローリング、カーペット共にゴミの取り残しが少ない。もう少し、キワまで掃除してくれると嬉しい。

一番気になったのは、単なる収納スタンドで充電スタンドではなかったこと。電源コードの抜き差しが少々面倒だ。次回からは、置くだけで充電できるようにしてほしい。掃除力は高いだけに、この点は改良して欲しい。

第5位 パナソニック「MC-NS100K」

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ゴミをクリーンドックが付属している。ゴミ捨ては約50日に1度で済み、紙パック式なのでゴミの舞い散りがない。掃除のたびにゴミを捨てる必要がなく、クリーンドックに溜めたゴミを捨てる際も紙パックごと捨てるだけ。Sharkとは異なり、クリーンドックが紙パック式という点に注目してほしい。ハウスダストなどのアレルギーの方はぜひチェックしてほしいクリーナーだ。

他社はすべていったん方向を180度回し、手前が正面になるようにセットする必要があるが、そのままの方向でクリーンドックに置けるのも便利だ。

今回、他社と比較すると吸引力については物足りなさを感じた。ただ、クリーンドックを採用したセパレート型コードレススティックの中では最上位モデルではない。2024年3月にはMC-NX700Kが発売されるので、そちらに期待したい。


最新モデル6製品を試してみた率直な感想としては、吸引力がアップしていること。数年前までの軽いコードレススティッククリーナーは吸引力がいまひとつだったが、どれもパワフルで、日常的に使うには全く問題ない。付属品も使いやすくなり、ゴミを充電台に溜めておけるクリーンドックなども登場し、進化している。お手入れや使い勝手などを比較して、自分に合った一台を選んでほしい。

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家電プロレビュアー
石井和美

家電をレビューするため「家電ラボ」を開設、小物家電から冷蔵庫や洗濯機などの大型家電のテストも行っている。製品レビューや家電についての解説はWEB、雑誌、ラジオ、テレビなどで発信している。ライター、家電コメンテーター、家電コンサルタント。
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