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石井和美の家電やりすぎ比較レビュー<冷蔵庫>

【第2位】パナソニック「NR-F55WX1」

author: 石井和美date: 2024/07/20

まとめ買い需要で大型冷蔵庫が売れている。さらに食材を冷蔵・冷凍保存するだけではなく、最近注目されているのは食材の鮮度保持能力だ。たくさん購入した食材は、なるべく状態のよいまま保存したい。そんなニーズにメーカーも応えている。

また、大容量のメリットを活かしつつ、食材が整理しやすいタイプも改めて見直されている。最近では奥行きが狭くなり、背が低い人でも取り出しやすい冷蔵庫が増加。特に冷蔵室にある一番上段の棚は、奥側まで手が届かず、フードロスになることがある。少し容量が減っても、食材の消費期限を見ながら、きちんと整理できるので、ムダを防げるというわけだ。

今回は代表的な6社の冷蔵庫を比較。冷蔵室、野菜室、冷凍室の鮮度保持、使いやすさなどを比較して、総合的に優秀な一台を決めた。特徴をぜひ参考にしていただきたい。

テストした項目は「冷蔵室の鮮度保持(10点満点)」「野菜室の鮮度保持(10点満点)」「冷凍室の鮮度保持(10点)」「使いやすさ(10点)」「お手入れのしやすさ(5点)」「オリジナル機能(5点)」の6項目合計50点となる。

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パナソニック「NR-F55WX1」の特徴

冷凍機能が充実している。独自の「クーリングアシストルーム」を搭載。業務用レベルの急速冷凍ができる「はやうま冷凍」は特に人気。「はやうま冷凍」とは、集中シャワー冷却により食品に大風量の冷気を吹きつけ、さらにアルミプレートで熱を奪う。その結果、急速冷凍を実現する冷凍技術で、冷凍食品でよくある霜つきを防ぎながら食品の美味しさを守る。

また、冷蔵室の最上段にコンプレッサーを配置したことで、目と手が届きにくい、冷蔵室の最上段奥が使いやすい奥行に。また、引き出し部分も容量たっぷりになり、より重たくなった引き出しでも高耐荷重ベアリング式レールで軽い力で開閉できる。大容量の引き出しを100%全開できる「ワンダフルオープン」機能によって、(引き出しの奥に保存した食材も引き出しの奥に保存した食材も一目でわかるようになっている。

低めの位置に棚やドアポケットを配置できる「ローウエストライン」も特徴だ。低い位置にあるのでドアポケットに保存した重いペットボトルなども、無理のない姿勢でサッと出し入れできる。

Point ①「冷蔵室の鮮度保持」

ラップなしで1日経過したサラダ

ラップなしで1日経過したハム

チルドルームでラップなしで5日経過したアジ

サラダは全体的に乾燥し、キャベツの千切りなどの乾燥しやすい野菜がカラカラに。ハムも少々乾燥しており、端の部分がかたくなっていた。アジは鮮度を維持しているものの、乾燥が少々進んで皮の部分にシワがあった。

Point ②「野菜室の鮮度保持」

ラップなしで1週間経過したパプリカと椎茸

ラップなしで1週間経過した小松菜

パプリカの断面はそれほど乾燥もなく、良好。椎茸も乾燥はしていなかったが、裏の部分は2個とも黒く変色していた。小松菜は全体的にハリがある状態で、水分も保ちつつ、1週間保存したとは思えない新鮮な状態だった。

Point ③「冷凍室の鮮度保持」

ラップして1ヶ月間冷凍

冷蔵室で1日かけて解凍

解凍後のドリップ

1ヶ月冷凍した肉は全体的にうっすらと霜がある状態だが、変色などはない。解凍した肉も変色はなく、ドリップも少なめで、良好。

Point ④「使いやすさ」

とにかく「使い勝手がよい」という印象。細かいところまで配慮が行き届いている。ローウエストラインで、扉が大きく、一番下に入れた飲み物も取りやすい。右側の扉は4段でもゆとりがある。

Point ⑤「お手入れのしやすさ」

表面に指紋などがつきにくく、お手入れはカンタン。引き出しの溝部分なども端はなだらかなカーブで、拭き取りやすい。また、冷蔵室の最上段は奥行きが浅いので、手前だけ拭けばよく、全体的にラクにできた。

Point ⑥「オリジナル機能」

コンプレッサーを冷蔵室の上段に設置してあるトップユニット方式を採用しているのは同社だけ。上段の食品の取りやすさ、使いやすさ、掃除のしやすさの面で優秀だった。ただ、コンプレッサーが耳に近いせいか、少しだけ音が大きいように感じた。

ユーザー目線で設計、使いやすさはダントツ!
質感もすばらしい冷蔵庫

背が低い女性でも、無駄なく冷蔵庫全体を隅々まで使いやすいように工夫されている冷蔵庫。実際に使ってみると実感できるのは、特に冷蔵室。よく使う冷蔵室は大きめで、他社と比較すると飲み物などが取りやすい。一番上の棚も、コンプレッサーを入れることで奥側は使えなくなるものの、下の野菜室が大きく使えるのは嬉しい。引き出しを100%引き出せる「ワンダフルオープン」も、奥まで食材を確認でき、取り出しやすいので使いやすかった。フードロスも防げそうだ。

また、朝の忙しい時間に急速冷却で下味つけやあら熱取りなどの時間短縮できる「はやうま冷却」など、欲しい機能が詰まっている。専用アプリ「Live Pantry」アプリを使えば、スマートフォンから「はやうま冷凍」、「はやうま冷却」を開始できる。自宅から離れると、スマホのGPS機能による位置情報で「外出」を検知して節電モードに移行するなど、独自の機能も豊富だ。アプリ自体も使いやすく、初心者でも迷わず使えそうだ。

鮮度維持については全体的に標準以上で、鮮度維持については野菜の鮮度維持が優秀だったが、冷蔵室では乾燥しやすい、という結果になった。

外装、内装については高級感がある。お手入れもしやすく、満足度の高い冷蔵庫だ。

SPEC
定格内容積:551L
本体サイズ:幅685×奥行699×高さ1828mm
質量(約):約112kg
年間消費電力量:245 kWh/年
実勢価格: 万 円

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家電プロレビュアー
石井和美

家電をレビューするため「家電ラボ」を開設、小物家電から冷蔵庫や洗濯機などの大型家電のテストも行っている。製品レビューや家電についての解説はWEB、雑誌、ラジオ、テレビなどで発信している。ライター、家電コメンテーター、家電コンサルタント。