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石井和美の家電やりすぎ比較レビュー<冷蔵庫>

【総論】冷凍食品の鮮度保持性能もアップ 付加機能も充実の最新冷蔵庫

author: 石井和美date: 2024/07/22

最新の冷蔵庫は、湿度や温度をコントロールして鮮度を保ちながら保存する冷蔵庫が増えている。まとめ買い需要で容量が昔よりも大きくなっている分、食品もたくさん入れるようになった。だからこそ、鮮度保持性能は、チェックしておきたいところだ。

他にも、Wi-Fi接続で独自アプリを利用してさまざまな機能を使えるようになった。氷ができたら教えてくれたり、献立を提案してくれたり、ドアの閉め忘れなどもアプリで通知してくれるので便利だ。何より、使用者の生活パターンを把握し、省エネ運転をしてくれるのが嬉しい。今後大型家電を購入検討しているのなら、アプリ対応の冷蔵庫がおすすめだ。

第1位 東芝ライフスタイル「GR-W550FZS」

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冷蔵室、野菜室、冷凍室の鮮度保持性能は優秀。特に野菜室の「使い切り野菜ボックス」は、カットした野菜を1週間入れておいてもみずみずしく保存できている。野菜室は広いので、大きな野菜もラクに入れられる。野菜室は冷蔵室のすぐ下にあり、出し入れもやすい。野菜中心のヘルシーなライフスタイルの方にぴったりだ。ただ、野菜だけではない。野菜の鮮度保持性能は以前から高評価だったが、冷蔵室もうるおいを保ったまま保存できていたので、全体的に高評価だった。

手がふさがっていても扉をあけられるタッチオープン、ワンタッチでドアポケットの高さを変えられるフリードアポケットなど、独自の機能も搭載されている。音声アナウンスも冷蔵庫の状況を耳で確認できて安心感がある。使いやすさに関しても高評価だ。

お手入れもしやすく、アプリもわかりやすい。使い勝手も含めてバンランスがよい冷蔵庫だった。

第2位:日立グローバルライフソリューションズ「R-HXCC54V」

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冷蔵室の鮮度保持は優秀で、今回試した中でトップの評価となった。ハムやサラダは全く変わっておらず、フチや表の部分も潤ったままだ。冷蔵室はチルドルームの温度帯にできるが、湿度のコントロールも正確に行われている印象。またチルドルームに保存したアジも、唯一表面がしっとりしており、身も縮んでいない。温度制御が得意という印象を受けた。

ホームフリージングをしたり、週末にまとめ買いをしたりする方には、特に向いている冷蔵庫だ。冷凍室は3段ケースで、1段目の薄物ケースは、広いアルミトレイが特徴だ。置くだけですばやく冷凍する「デリシャス冷凍」は、たくさんの食材を一度に冷凍できるので、とても便利だった。

また、今回お借りした中で唯一のカメラ搭載モデルだ。出先から最新の中身チェックをできるのは便利だったが、見える範囲が前側だけで、奥が見えにくいのは残念だった。

第2位:パナソニック「NR-F55WX1」

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背が低い女性でも、使いやすく設計されているのがパナソニックの冷蔵庫だ。無駄なく冷蔵庫全体を隅々まで使いやすいように工夫されている。冷蔵室は大きめで、他社と比較するとローウエストラインで飲み物などが取りやすい。

冷蔵室の一番上の棚はコンプレッサーを入っているため奥側は使えなくなるものの、下の野菜室が大きく使えるのは嬉しい。引き出しを100%引き出せる「ワンダフルオープン」も、奥まで食材を確認でき、取り出しやすいので使いやすかった。派手な機能ではないものの、日常での使いやすさを徹底的に研究されている印象で、ストレスなく使えそうだ。特に女性は実際に使ってみると実感できるだろう。

専用アプリ「Live Pantry」アプリも使いやすい。スマートフォンから「はやうま冷凍」、「はやうま冷却」を開始でき、自宅から離れると、スマホのGPS機能による位置情報で「外出」を検知して節電モードに移行するなど、独自の機能も豊富だ。色々できると操作が複雑になりがちだが、アプリ自体の使いやすさもさすがだった。

第4位:三菱電機「MR-MZ60K」

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特に優秀だったのは、冷凍の鮮度保持性能だ。ドリップが出ておらず、唯一の満点となった。生鮮食品など、霜付きが気になるのであれば、三菱電機の冷凍保存はとても優秀なのでおすすめだ。

冷蔵室や野菜室の鮮度保持については乾燥が少し気になったが、そのぶんカラッとしているので、水滴が付きにくい。高湿タイプは、棚の部分に水滴が常についてしまうものもあるが、同社の冷蔵庫は衛生面で安心して使える冷蔵庫だ。

給水タンクを冷蔵室の床に埋め込んでいる、同社独自の「洗える埋めっちゃタンク」は、冷蔵室を広く使える。給水タンクの出し入れもしやすく、とても使いやすい機能だった。

残念だったのは、アプリの使いにくさ。今回試した中では一番わかりにくく、初心者にはハードルが高い。もう少し、直感的に接続できるようにしてほしい。

第5位:シャープ「SJ-MF55M」

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横幅が少し広く、取り出しやすい奥行きで、整理がしやすい。実際に使ってみて感動したのは、センターピラーがないこと。扉中央にあるピーラーがないため、扉のポケットが広く、たくさんの飲み物が入る。シャープの冷蔵庫は、こういった構造面でユニークな独自機能を搭載していることが特徴だ。

特に冷凍食品を多く活用する方は、シャープの冷蔵庫に注目してほしい。たっぷり入るうえに、仕切りなども豊富で、整理がしやすい。たくさん買うとゴチャゴチャしやすい冷凍庫も、一目で全体がわかるように工夫されている。

また、アプリも今回試した中では接続しやすく、機能も豊富だった。同社は一足早くAIに力を入れていたメーカーなので、やはり使いやすい。ユーザーともちょうどよく、人間味がある話し方で、献立などを提案してくれるので、冷蔵庫に愛着が沸く。おしゃべり好きな冷蔵庫だが、内容も役に立つことが多かった。

第5位 アクア「AQR-TXA50P」

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今回、試した中で、アクアの冷蔵庫が特に優秀だったのは冷凍の鮮度保持性能が優秀だった。取扱説明書を読まなければ、美味しく冷凍できないというモデルも多い中、冷凍室に入れておくだけで鮮度が保たれる。1ヶ月冷凍しておいたお肉も霜付きが抑えられており、変色もほぼなく、しっとりした状態だった。冷蔵室扉の下部にある「LEDステータスバー」など、視覚的にもわかりやすい工夫がある。こちら側が色々操作しなくてもよいので、気楽に使うことができた。

残念だったのは、アプリ対応ではないこと。アクアを除く5社が専用アプリを提供しており、ユーザーのライフスタイルに合わせて節電を自動で行ってくれる。氷ができるとアプリで通知してくれたり、部屋の温度が高温になると知らせてくれたり、色々と便利な使い方ができるが、そういったことができないのは少々物足りなさを感じた。次のモデルでは、ぜひアプリ対応の冷蔵庫にしてほしい。


最新モデル6製品を試してみたが、想像以上にそれぞれ個性的で、得意不得意がある。お手入れや使い勝手なども比較し、ライフスタイルやユーザーの好みにあった冷蔵庫を選んでほしい。

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家電プロレビュアー
石井和美

家電をレビューするため「家電ラボ」を開設、小物家電から冷蔵庫や洗濯機などの大型家電のテストも行っている。製品レビューや家電についての解説はWEB、雑誌、ラジオ、テレビなどで発信している。ライター、家電コメンテーター、家電コンサルタント。