今回はフラッグシップモデルではなく、手軽に使えるミドルクラスのオーブンレンジ（26～27L）を比較した。現在はケトル、電気調理鍋、ミキサーなど、特化型の便利な家電が増えており、キッチン内の置き場所問題に悩む方が増えている。よりコンパクトなサイズのものが求められている中、オーブンレンジもサイズで選ぶ方も多い。ただ、使用頻度が高い家電なので、性能が気になるところだ。今回は操作のしやすさや、あたため、トーストといった、基本機能の評価を重視し、評価している。
テストした項目は「ごはんのあたため（10点）」「弁当あたため（10点満点）」「トースト（10点）」「スポンジケーキ（10点）」「独自機能（5点）」「操作性、お手入れ（5点）」の合計50点満点。「ごはんのあたため」は冷蔵庫で冷やしたごはん、「弁当あたため」は市販弁当、「トースト」は一般的な6枚切りのパン（超熟）を使用している。
東芝ライフスタイル「過熱水蒸気オーブンレンジ ER-D90A」の特徴
お好みの味を付けてならべるだけで手軽においしく調理できる「石窯おまかせ焼き（鶏肉・野菜コース）」が新搭載。温度センサーで分量に合わせて火加減を調整し、選んだ食材に合わせて焼き上げるため、失敗なくできる。独自のドーム型天井も特徴的で、熱対流で効率よく加熱できる、
また、「過熱水蒸気調理」に対応しており、油や塩分をカットしてヘルシーに調理可能だ。スチームカップではなく給水カセット式なので、手軽に過熱水蒸気調理ができる。角皿は溝付きで余分な脂を流す「ヘルシーフラット角皿」を採用している。
間口39.7cmのひろびろワイド庫内で、お弁当や大皿料理などもスムーズに出し入れできる。背面もぴったりつけられるので、設置面積は小さい。
Point ①「ごはんのあたため
「あたためスタート」ボタンを押してスタート。150gのごはんは1分30秒で加熱が完了した。中心温度は85.6℃でということで、熱すぎず、ちょうどよい温度になった。
Point ②「弁当のあたため」
弁当のあたためは、弁当のラベル通りに500Wで1分半加熱。全体にムラは少ないものの、手前は全体的に少し温度が低い。加熱が難しいハンバーグの中心温度は30.5℃で、他社と比較しても平均的な温度だった。
Point ③「トースト」
2枚の食パン（パスコの超熟）を加熱した。トーストモードで加熱したところ、6分41秒。加熱時間は一番早く、焼きムラも少なめ。ただ、全体的に焼き目が少々薄い。焼き時間が短いので、乾燥が抑えられ、パサつきは感じなかった。
Point ④「スポンジケーキ」
スポンジケーキミックスに卵と牛乳、サラダ油を使い、予熱ありの160℃設定（オーブン）で35分焼いた。ふっくらした仕上がりで、食感もよく、よく焼けている。ただ、表面の焼き色が少し濃かった。
Point ⑤「独自機能」
手羽先10本と長ネギを使って、石窯おまかせ焼きの「旨辛手羽先」を作った。調理時間は約30分。中はジューシーでプリプリしており、フライパンでは難しい料理だ。おまかせで簡単に立派なメイン料理を作ることができる。
Point ⑥「操作性、お手入れ」
操作部は向かって右側にある。他社は下側にあるものが多いので、操作性については好みが分かれるかもしれない。給水カセットに水を入れておけば、給水カセットに水を入れて、「手間なしお手入コース」を使えばスチームで庫内の汚れを浮かせ、簡単に汚れを落とすことができる。表示部はコントラストがハッキリしていて見やすい。
ムラなく熱がまわり、料理もお菓子も得意なバランスのよいオーブンレンジ
ミドルクラスで給水タンクが付属した過熱水蒸気調理ができる唯一のモデルだ。スチームのあたためもできるので、シュウマイなどの加熱はもちろん、さまざまな食材をおいしくあたためたいという方におすすめだ。スチームができると、汚れてしまった庫内も汚れを浮かせて簡単に調理できる点も魅力だ。
オーブン機能が優秀で、スポンジケーキの仕上がりはふわっとできたのでよかった。ただ、表面の少し焼き色が濃かったのは残念だ。
角皿を使った石窯おまかせ焼きは、手軽に本格的な焼き料理を楽しめる。今回は手羽先を焼いたが、石窯ドームの特性が活かされており、隅から隅までムラなくしっかり焼けている。事前に漬け込んでおけば、火加減はおまかせなので失敗がない。ヘルシーフラット角皿も、溝があるので食品から流れた油が食材に再付着しにくく、ベタつかずに美味しく食べることができた。電子レンジだけでなく、オーブンを使った料理などにも挑戦したい方にぴったりと言えるだろう。
SPEC
総庫内容量：26L
外形寸法：幅480×奥行390×高さ350mm
質量（約）：約17kg
消費電力：1430W（電子レンジ）1350W（オーブン・グリル）
実勢価格：5万5000円
製品貸与：東芝ライフスタイル
author: 石井和美
