MENU
search icon
media
Beyond magazineでは
ニュースレターを配信しています
  1. TOP/
  2. ANNEX/
  3. 【第4位】ZOJIRUSHI「EVERINO ES-GW26」
ANNEX

石井和美の家電やりすぎ比較レビュー<オーブンレンジ>

【第4位】ZOJIRUSHI「EVERINO ES-GW26」

author: 石井和美date: 2024/11/18

今回はフラッグシップモデルではなく、手軽に使えるミドルクラスのオーブンレンジ(26~27L)を比較した。現在はケトル、電気調理鍋、ミキサーなど、特化型の便利な家電が増えており、キッチン内の置き場所問題に悩む方が増えている。よりコンパクトなサイズのものが求められている中、オーブンレンジもサイズで選ぶ方も多い。ただ、使用頻度が高い家電なので、性能が気になるところだ。今回は操作のしやすさや、あたため、トーストといった、基本機能の評価を重視し、評価している。

テストした項目は「ごはんのあたため(10点)」「弁当あたため(10点満点)」「トースト(10点)」「スポンジケーキ(10点)」「独自機能(5点)」「操作性、お手入れ(5点)」の合計50点満点。「ごはんのあたため」は冷蔵庫で冷やしたごはん、「弁当あたため」は市販弁当、「トースト」は一般的な6枚切りのパン(超熟)を使用している。

fade-image

象印マホービン「EVERINO ES-GW26」の特徴

下ごしらえした冷凍食品を凍ったまま角皿にのせ、焼き上がるまで一気に調理ができる「凍ったままレジグリ」新搭載。冷凍しておいた塩鮭4切れが「凍ったままレジグリ」なら約18分で終わる。

また、レンジ機能で食材の中まで素早く加熱し、その後は自動でグリル機能に切り換えるので本格的な料理も短時間でおいしく作ることができる「芯までレジグリ」機能搭載。角皿はマイクロ波を透過する陶磁器(セラミック)製なので、このようなレジグリ機能を最大限に活かせる。グリル加熱からレンジ加熱の自動切り換えも、手動で設定可能だ。

下ごしらえした材料を付属のボウルに入れ、角皿にセットするだけで、簡単に調理ができる「全方位あたため うきレジ」も搭載している。ボウルを庫内で浮かせた状態で調理することで、食材上部と底部の加熱ムラを抑えた全方位加熱を実現している。味がしみこみ、時短でおいしく仕上げられる。

Point ①「ごはんのあたため」

150gのごはんは1分10秒で加熱が完了した。中心温度は87.6℃でということで、熱すぎず、ほどよい温度だが、冷蔵ごはんは自動メニューを「1」に合わせる必要がある。ごはんのあたためは頻度が高いので、他社のように番号ではなくわかりやすくしてほしい。

Point ②「弁当のあたため」

弁当のあたためは、弁当のラベル通りに500Wで1分半加熱。全体にムラは少なく、加熱が難しいハンバーグの中心温度は29.9℃。他社と比較すると少し低い結果になった。

Point ③「トースト

表側
裏側

2枚の食パン(パスコの超熟)を加熱した。トーストモードで加熱したところ、9分50秒。表面はこんがりとキツネ色に焼けており、裏面は少々焼き色が薄いものの、焼きムラも少なめで、香ばしい仕上がりになった。

Point ④「スポンジケーキ」

スポンジケーキミックスに卵と牛乳、サラダ油を使うスポンジケーキの素を使い、予熱ありの160℃設定(オーブン)で35分焼いた。温度が低いせいか、中心部がへこみ、上部が生焼けの状態になった。

Point ⑤「独自機能」

「全方位あたため うきレジ」で蒸し鶏を作った。ボウルの調味料と鶏胸肉をセットし、たった8分でやわらかい蒸し鶏ができた。通常、電子レンジで加熱をすると下のほうだけパサつくことがあるが、全体にムラなく火が通ってしっとりしている。浮きレジは他社にはない機能。これなら煮物なども美味しくできそうだ。

Point ⑥「操作性、お手入れ」

ガラス製ボウルやセラミックの角皿が重く、取り扱いが少々大変で、収納スペースを空けておかなければならない。もう少し軽くしてもらえると嬉しい。上部はヒーターがあるので、庫内のお手入れは他社と比較すると少々手間がかかる。

トーストはこんがり、浮きレジ調理も活用できそう

他社が比較的苦戦していたトーストは、高評価だ。焼き色がしっかりとついて、香ばしさを味わえた。ただ、途中でひっくり返す際に、角皿が重めなので取り出すのが少々面倒に感じた。

浮きレジでの調理は想像以上に効果があり、蒸し鶏がとてもしっとり美味しくできる。温度の調整が難しく、特に電子レンジでは難しい調理だが、短時間で上手にできたので感動した。他社にはない新しい機能で勝負しており、手軽さだけでなく美味しさをとことん追求しているのは好印象だ。他の料理も色々試したくなった。ごはんや弁当のあたためは、時間も温度も平均的で、問題なくできる。

美味しさでは評価できるものの、使い勝手で気になることがあった。便利な浮きレジだが、ボウルは付属している専用のものしか使えない。フチがあるガラスのボウルで、重く、収納時に場所をとる。さらに、庫内上部にヒーターがあるので他社と比較すると掃除に若干手間がかかる。

操作時にメニューはすべて番号で指定しなければならず、わかりにくさが気になった。本体下にメニュー表が格納しているので、引き出せばすぐに確認できるが、よく使うメニューは直感的に操作できるようにしてほしい。「ボウル×」「プラ×」など、特に間違ってはいけない使い方を表示部で警告してくれるのは親切だ。

SPEC
総庫内容量:26L
外形寸法:幅487×奥行399×高さ370mm
質量(約):約17.5kg
消費電力:1420W
実勢価格:6万5450円

製品貸与:象印マホービン
author: 石井和美

author's articles
author's articles

author
https://d3n24rcbvpcz6k.cloudfront.net/wp-content/uploads/2021/05/036.jpg

家電プロレビュアー
石井和美

家電をレビューするため「家電ラボ」を開設、小物家電から冷蔵庫や洗濯機などの大型家電のテストも行っている。製品レビューや家電についての解説はWEB、雑誌、ラジオ、テレビなどで発信している。ライター、家電コメンテーター、家電コンサルタント。
more article
media
福岡市が「デジタルノマド」の聖地になりつつある理由。そして「AI PC」がもたらす変化
ANNEX
date 2024/12/03